国会質問データ

論戦ハイライト 国民の命と暮らし守れ 衆参予算委(204-衆参予算委員会2021/5/10)

[国会質問データ]2021/05/11 更新

 10日の衆参の各予算委員会で、新型コロナウイルスから国民の命と暮らしを守るための対策について政府をただした日本共産党の清水忠史、山添拓両議員。目の前のコロナ対策に集中し、東京五輪の中止を決断するよう訴えました。

「大阪へ医師・看護師 広域搬送も」清水議員

 清水氏は衆院予算委員会で、新型コロナウイルスの影響で医療体制が逼迫(ひっぱく)している大阪府の問題について、必要な医療支援など具体的な対策を講じるよう求めました。

 清水氏は、大阪では重症病床使用率が100%を超え、自宅やホテルでの療養者が1万6千人に上ると指摘。「全感染者のうち9割が入院できず、救急車を呼んでも搬送先の病院が見つからない事態だ」として、政府の責任を追及しました。

 大阪の深刻な重症病床不足について清水氏は、医師・看護師の人材不足が原因にあると指摘。「大阪だけでは医療資源が枯渇している状況だ」と述べ、全国から医師・看護師を派遣するよう求めました。あわせて、重症患者の県境を越えた広域搬送の調整が必要だと迫りました。

 清水 看護師だけでなく医師を派遣し、広域搬送を調整すべきだ。

 田村憲久厚労相 医師は調整が難しく看護師のようにはいかない。広域搬送は非常に時間がかかるため難しい。

 清水 できないという答弁じゃないか。

 清水氏は、菅義偉首相が東京五輪・パラリンピックのために500人の看護師を派遣することは可能だと発言していることを批判。広域搬送については「時間がかかるというが、搬送先がみつからず47時間も救急車で過ごした人もいる。他府県への搬送は国が責任を持ってやるべきだ」と強調しました。

 清水氏は、自宅療養患者の命をつないでいるのは「目の前の命を救うために訪問診療をしている医師の奮闘だ」と指摘。コロナ患者を往診するには1件あたり1時間を要する現状の中で、現場からは「今の診療報酬では見合わない」「加算してほしい」との声が上がっていると強調しました。

 清水 政府が訪問診療の実態調査を行い、十分な支援をするべきだ。

 首相 診療報酬については当然そうしたことは設けるべきだと思う。

 清水氏は、神戸市や大阪府門真市の高齢者施設でクラスターが発生し、二つの施設だけで38人が死亡するなど深刻な実態があると指摘。「どのように国民の命を守るのか。その答えは現場にある」と述べ、医療・介護従事者から直接要望を聞くよう求めました。

「五輪中止、コロナ対策集中こそ」山添議員

山添氏は参院予算委員会で、「東京五輪・パラリンピックを中止し、コロナ対策に集中を」と求めました。

 山添氏は、高橋洋一内閣官房参与が各国の新規感染者のグラフを上げ「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイートしたことを批判し、同じ認識かと追及。菅義偉首相は「個人の主張について答弁を控える」としか答えず、山添氏は「こうした認識の方が政策決定に関与しているのが大問題だ」と批判しました。

 山添氏は、組織委員会が看護師約500人の派遣を要請したことについて、愛知県医労連が「#看護師の五輪派遣は困ります」と呼びかけたツイートが42万超に上ったと指摘。ある医療機関では、紹介会社に年1千万円支払って看護師派遣を要請しても、コロナで逼迫(ひっぱく)し紹介されないなど深刻な実態を示しました。

 山添 この声に正面から向き合うべきだ。

 田村憲久厚労相 推計70万人以上いる潜在看護師の掘り起こしもお願いしている。

 山添 現場の悲痛な叫びに向き合っていない。介護や育児などの事情で休んでおり、簡単な話ではない。

 山添氏は、ホストタウンに登録している全国525自治体では事前合宿や地域交流が予定されており、検査体制の確保や陽性者への対応が負担となっていると強調。ホストタウンを辞退した自治体は約20に上り、「コロナ対応、ワクチン対応に懸命な自治体にさらなる負担をもたらす」と厳しく批判しました。

 山添氏は、変異株が猛威を振るうインドではカヌーの代表チームが予選出場を断念するなど、各国の感染状況やワクチン接種に格差があり、辞退が広がると指摘。「フェアでない五輪は、いかなる差別も伴うことのない友情・連帯・フェアプレーを掲げる五輪憲章に反する」と主張しました。

 山添氏は、日弁連元会長の宇都宮健児さんが呼びかけた五輪開催の中止を求めるネット署名への賛同が30万人を超え、「読売」の世論調査も6割近くが「中止」と回答したと示しました。

 山添 国民の声を無視してつき進むのか。

 首相 感染対策を講じ、安心して参加できるようにする。

 山添氏は「中止の検討すらせず、主体的に判断しようとしないのはあまりに無責任だ」と迫りました。(2021/5/11赤旗)

コロナ対策に力集中を 衆参予算委集中審議 共産党が追及 清水氏 大阪 医療立て直し進めよ(204-衆-予算委員会2021/5/10)

[国会質問データ]2021/05/11 更新

 日本共産党の清水忠史議員、山添拓議員は10日、衆参各予算委員会で、感染拡大が続く新型コロナウイルスの対策強化に向けて政府の姿勢をただしました。清水氏は、コロナ禍で医療崩壊の危機に直面する大阪府の事態を示し、政府が国民の命と健康を守るために手だてを取りきるよう要求。山添氏は、感染拡大の中で、東京五輪・パラリンピックを強行する矛盾をただし、五輪中止の決断を迫りました。

 清水氏は、大阪では搬送先病院が見つからずに、命を救えない状況が広がっていることを告発。「大阪府の責任は極めて重大だが、菅義偉首相の責任も問われる」として、必要な重症病床の確保や医師・看護師の派遣、広域搬送の調整など、政府の責任で医療提供体制の立て直しを進めるよう求めました。

 菅首相は「全力を尽くして支援している」と答えるだけ。清水氏は「救えるはずの命が救われない状況のなか、どのようにして国民の命を守るか、その答えは現場にある」と述べ、菅首相が関係者から直接要望を聞きとるよう求めました。

 一方、山添氏は、五輪中止を促す海外紙の論調を紹介。高橋洋一内閣官房参与がツイッターで日本の感染者数を「さざ波」と発言したことについて、菅首相の認識をただすと、菅首相は「個人の主張について答弁することは控える」としか答えませんでした。

 山添氏は「(高橋氏が)官房参与として首相に進言しているから問題にしている」と厳しく批判。さらに、看護師や医師など医療スタッフの五輪への派遣要請に医療現場から不可能だとの声が上がっている実態や、自治体からホストタウン辞退の動きもあることなどを具体的に示し、「あらゆる機関に負担をかけても、五輪開催ありきで進むのか」と迫りました。

 菅首相は「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康は守る」との答弁を繰り返すだけでした。(2021/5/11赤旗)

会議録 204-予算-20号

介護報酬引き上げを 地方分権一括法案 清水氏が批判(204-衆-地方創生特2021/4/27)

[国会質問データ]2021/05/07 更新

 小規模多機能型居宅介護事業(地域密着型の在宅介護サービス)の定員の規制緩和などを図る地方分権一括法案が4月27日の衆院地方創生特別委員会で、自民、公明両党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 日本共産党の清水忠史議員は質疑で、「介護サービスの利用定員は、家庭的な環境や職員とのなじみの関係がつくられることを趣旨としてきた。緩和は趣旨を損ねる」と指摘。定員の緩和を提案した自治体は、サービスを行う事業者の約4割が赤字であることを理由の一つに挙げているとして、「介護報酬を引き上げるべきだ」と批判しました。

 山本博司厚生労働副大臣は「基本報酬のあり方の検討は今後の課題であり、調査研究を通じて進めたい」と答弁しました。

 また清水氏は、高齢者施設でのPCR検査の実施状況が低い実態を告発し、「定期的な検査ができる手だてを示すべきだ」と迫りました。厚労省の大坪寛子審議官は「高齢者施設での定期検査は極めて重要」としながら、自治体任せの姿勢を崩しませんでした。

 清水氏は介護・医療従事者への慰労金の再支給を求め、坂本哲志地方創生相は「意見を受け止める」と答えました。(2021/5/7赤旗)

 

議事録(準備中)

配付資料 20210427 地方創生特配付資料

関税定率法等の一部を改正する法律案質疑(204-衆-財務金融委員会2021/3/16)

[国会質問データ]2021/05/06 更新

 関税定率法等の一部を改正する法律案に対する質疑をおこないました。

会議録 204 財務金融10号

所得税法案と公債発行特例法案に対する反対討論(204-衆-本会議2021/3/2)

[国会質問データ]2021/05/06 更新
 3月2日、衆院本会議で所得税法案と公債発行特例法案に対する反対討論を行いました。討論内容をご紹介いたします。
 私は日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案、及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。
 はじめに、所得税法等改正案についてです。反対理由の第一は、コロナで苦しむ国民に対する税制支援が不十分だからです。
 今回の税制改正は、「ポストコロナに向けた経済構造の転換」をかかげ、売上の減少が見込まれる中でも減税額を増やしたいという財界の要望に応える形で、企業のデジタル化やカーボンニュートラルに向けた投資への減税を措置しています。しかし、コロナ禍で優先して行うべきは、一昨年の消費税増税で苦しんでいる国民生活を支え、その負担を軽減することであります。
 消費税は、食料品、生活必需品や光熱費など、暮らしに不可欠な支出にも課税され、コロナ禍で苦境にあえぐ国民にも容赦がありません。納税猶予の特例により、もっとも滞納を余儀なくされている税目が消費税であることを見ても明らかです。
 消費税減税は、新型コロナの影響を最も深刻な形で受けている所得の少ない人と中小零細企業への効果的支援になるものです。すでに世界50か国以上で消費税減税が実施されています。政府は消費税5%への緊急減税を決断するべきです。
 第二の理由は、不公平税制にメスが入っていないことです。
 安倍政権以降、富の集中が進み、資産格差が拡大しています。野村総研の資料によると、純金融資産5億円以上を保有する超富裕層の総資産は倍になり、2019年にはわずか8.7万世帯で100兆円近い資産を保有しています。
にもかかわらず、本法案は、金融所得課税の見直しにまったく触れていません。麻生財務大臣は、来年度以降に検討すると言いましたが、株価がバブル期に迫る高値となっている今こそ、証券優遇措置を抜本的に見直し、所得が1億円を超える高額所得者ほど税負担が軽くなるという、いびつな税制にメスを入れるべきであります。
 大企業優遇税制も問題です。法案には、財界の要望に応えてDX(デジタルトランスフォーメーション)投資 促進税制の創設で110億円の減税が、研究開発減税の見直しで240億円の減税などが盛り込まれましたが、中小の赤字企業は、税額控除や特別償却の枠をいくら広げても使えません。
 体力のある大企業向けの優遇を拡大すれば、さらに法人税収が空洞化するだけです。大企業の法人所得が毎年、過去最高を更新しながらも、法人税収が増えない不公平税制の是正こそ求められています。
 つぎに、公債発行特例法案についてです。この法案は、2021年度から2025年度までの5年間、特例公債の発行を自動的に認めようというものです。財政法第4条は原則、公債や借入金を認めていません。
 これは、過去の戦争で、戦費調達のために大量の国債を発行し、国家財政と国民生活を破綻させた、痛苦の教訓によるものです。かろうじて認められるのは、財政規律を保つための最低限の措置として、その都度国会の承認を得たものに限られます。
 5年にわたって特例公債の発行を認めればどうなるか。参考人として陳述された山田博文群馬大学名誉教授は、「国債が雪だるま式に膨張すると国債費が増大し、生活関連予算が圧縮される」と指摘しました。
 麻生財務大臣は、無尽蔵な国債発行はおこなわないと強弁しましたが、予算編成の内容は、ときの政権の判断にゆだねられており、歯止めがかかる保障はまったくありません。
 財政規律を保つための最低限の措置を逸脱し、国会のチェック機能を今後5年にわたって奪うことは、議会制民主主義の重大な蹂躙であり、とうてい認めることはできません。
 コロナ過のもと、国民生活を守り、日本経済を立て直すために、今こそ不公平税制をただし、負担能力に応じた税制へと見直すことを強くもとめて、反対の討論といたします。
 
会議録 204 本会議10号