国会質問データ

198-衆-国土交通委員会(2019/5/8)

[国会質問データ]2019/05/29 更新

自動運転 安全性確保を

清水議員 減速・停止機能は必須

改正法案を可決

衆院委全会一致

写真

(写真)質問する清水忠史議員=8日、衆院国交委

 自動運転の安全性を確保するための道路運送車両法改正案が8日の衆院国土交通委員会で全会一致で可決されました。

 採決に先立ち、日本共産党の清水忠史議員は、自動運転の安全性を確保するために、自動運行装置が備えるべき機能について政府の認識をただしました。

 レベル3と呼ばれる特定条件下での自動運転(高速道路での自動運転等)は、自動運転継続が困難になった場合、運転者に運転を引き継ぐことになっています。

 清水氏は、「うまく引き継ぐことができるのか」という国民の不安があると指摘。運転者に引き継がれるまでの減速運転などで安全に自動運転を継続することや、車両を自動で安全に停止させる機能などは、自動運転を実用化する上で必要な装置だと強調しました。

 国交省の奥田哲也自動車局長は、国際的な基準の策定を踏まえ、「保安基準(自動車の安全走行のための最低限の技術基準)に取り入れ、型式指定の際に国がそれを確認する」と答弁しました。

 清水氏は、民間シンクタンクの意識調査で自動運転に「不安あり」と答えた人が47・3%に上ると紹介。「国民の不安の声をどう受け止め、不安解消のためには何が必要と考えるか」と質問しました。石井啓一国交相は「関係省庁とシンポジウムを開催したり、ディーラーの試乗会を通じて自動運転の性能を丁寧に説明していきたい」と述べました。(赤旗2019/5/9)

20190508資料

○谷委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 この大型連休中も、各地で自動車による死傷事故が多発いたしました。けさも、るる言われておりますように、大津市の県道で、保育園児らが歩いている列に軽自動車が突っ込むという大変な事故が起きまして、死傷者が出ております。
 また、高齢者の運転による自動車事故も社会問題となっておりまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族には哀悼の意を表したいと思います。けがをされた方々には、一日も早く回復されますようお見舞いを申し上げたいと思います。
 こうした交通事故の約九割が、人為的なミス、いわゆるヒューマンエラーによるものであるとされております。
 この間、各自動車メーカーで、事故を減らすために、衝突被害軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキですね、AEBと呼ばれているものですが、これら運転支援の装置を搭載した先進安全自動車が開発され、普及し始めております。現在では新車台数の八割にこれらAEBなどの装置が装備されているということです。今後は、運転の主体が運転者、人間ではなくて、初めてシステム、装置が運転の主体になるというレベルの自動運転が実用化されようとしています。
 これら自動運行装置を搭載した自動車の製造から使用までの安全性を一体的に確保するためには制度や規制がなくてはならず、本改定案が、安心して自動車を走らせることのできる最低限の技術基準である保安基準の対象に自動運行装置を追加するとしていることは必要なことだと考えます。
 そこで伺いたいと思います。
 自動運転の実用化をめぐりましては、国民の中に期待の声がある一方で、不安の声も実は少なくありません。民間のシンクタンク、第一生命経済研究所が二〇一八年七月二十四日に公表した意識調査では、自動運転の開発、普及による社会の変化に期待をしているかとの問いに期待ありと答えた方が七四・七%あった一方で、自動運転の開発、普及による社会の変化に不安を感じるかとの設問に対しては、不安ありとする人が四七・三%、約半分ありました。不安の内容は、車が安全に作動するかどうかが七〇%、事故が起きた際の責任問題やトラブル対処、保障問題が四六%となっております。
 大臣は、こうした国民の不安の声をどう受けとめ、そして、この不安を解消するためにはどうした取組が必要だというふうに考えておられるでしょうか。
○石井国務大臣 今委員が御紹介いただいたように、昨年の七月に民間の調査機関が実施をしました自動車・自動運転に関する意識調査の結果については承知をしてございます。
 まず、車両自体の安全性につきましては、今回提案しております道路運送車両法改正案によりまして、自動運転車の設計、製造から使用までの安全性を一体的に確保する制度が整備されることとなります。
 国土交通省といたしましては、改正法に基づきまして、安全基準の策定や検査の実施を行う等、確実に施行することで自動運転車の安全が確保されるよう万全を期してまいります。
 また、自動運転車の性能について不安等を感じている国民の皆様に対しましても、関係省庁とも連携をいたしまして、シンポジウムを開催することやディーラーの試乗会等を通じて自動運転車の性能等を丁寧に説明していくこと等の取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいりたいと考えております。
○清水委員 これからは、レベル3と呼ばれる自動運転について伺いたいと思うんですね。
 このレベル3という段階では、例えば高速道路上においてシステムによる自動運行の継続が難しくなったときに、例えばインターチェンジからおりるというとき、こういうときに、システムが運転者に対して、かわってくださいと運転の引継ぎを要求します。運転者はそれを受けて運転を引き継ぐこととされている、これがいわゆるレベル3における自動運行システムと言われています。このときに、果たしてうまく引継ぎができるのかという疑問や不安の声があるわけですね。
 例えば、スマホの操作に夢中になっているとか、あるいは居眠りをしていたとか、引継ぎに気づかない、できないというようなことがあるかもしれない、こういう不安の声があるわけですが、この点への対応について、自動運転車の安全技術ガイドラインにはどのように対応しようというふうに記載されているでしょうか。お答えください。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、安全な自動運転車の開発、実用化を促進するために、レベル3及びレベル4の自動運転車が満たすべき安全要件を、自動運転車の安全技術ガイドラインとして昨年九月に策定をいたしました。
 御指摘のとおり、レベル3の自動運転車におきましては、走行環境条件から外れる場合等、システムの作動継続が困難な場合には、運転者がシステムから運転を引き継ぐことが必要となってまいります。このため、自動運転車の安全技術ガイドラインにおきましては、運転者がシステムからの運転を引き継ぐことができる状態にあることを監視し、必要に応じて警報を発することができるドライバーモニタリングシステム等の機能を備えることが求められております。
 また、システムから運転者への運転の引継ぎが必要な場合は、運転者に対してその旨警告を行うよう定められております。
 さらに、運転者に運転が引き継がれるまでの間、システムの機能を維持又は制限した状態でシステムの稼働を継続させる、ガイドライン上の用語によれば縮退運転、フォールバックを行うことによりまして、安全に自動運転を継続するよう求めております。
 加えまして、仮に運転者が運転を引き継げない場合の対策といたしまして、車両を自動で安全に停止させるミニマル・リスク・マヌーバー、MRMを設定することを求めることによりまして、自動運転システムの安全性を確保することといたしております。
○清水委員 今局長答えられましたように、引継ぎまでの間、縮退運転、フォールバック、あるいは、運転者が何らかの理由によって運転を引き継げない場合には、自動的に、例えば高速道路上であれば路肩に停止をするというミニマル・リスク・マヌーバー、MRMですね、これらは本当に自動運転を実用化する上で必要な措置だというふうに思うんですね。
 これらの機能は、例えば、レベル3、自動運行装置が実施される段階においては必ず備えるべき機能だというふうに考えるんですが、その点いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 レベル3の自動運行装置は、国土交通大臣が付する走行環境条件内においてのみ運転者の運転操作に係る能力を代替し、その安全性について保安基準に基づき確認されるものでありまして、走行環境条件外では運転者が運転することを前提といたしております。このため、運転者に運転が引き継がれず、走行環境条件外でそのまま自動運行装置が使用されることとなった場合、もはや安全な運行は期待できず、重大な事故につながるおそれもございます。
 このため、運転者に運転が引き継がれないときは、自動運行装置をそのまま作動させるよりも、減速、停止させる方がより安全であるというふうに考えられております。
 この点、国連自動車基準調和世界フォーラム、WP29において国際基準の議論が行われておりまして、この場におきましても、運転者に運転が引き継がれないときは安全に減速、停止する機能が必要であるとの認識のもと、その要件について検討が進められております。
 具体的には、急減速はせず徐々に減速すること、車線を維持し、安全に実施可能であれば車線変更や路肩に寄せること、ハザードランプを点灯させるなどにより周囲に注意喚起を行うことなどの要件が検討されておりまして、今後、WP29での議論を我が国がリードをいたしまして国際基準化を図ってまいるとともに、本基準案が成立、発効した際には、我が国においてもこれを速やかに保安基準に取り入れ、型式指定の際に国がそれへの適合性を確認することといたしております。
○清水委員 レベル3の、今言われました自動運転の段階では、運転者が完全にシステムに運転を委ねるという段階ですから、これはまさしく命を預けると言っても過言ではありません。自動運転の安全を確保して国民の理解を得るという観点からも、こうした装備は標準的に装備するべきだということを述べておきたいと思います。
 次に、自動運行装置の設計が原因で自動運転の自動車にふぐあいが生じるのではないかという不安にどう応えるのか、この点について伺いたいと思います。
 実は私は、二〇一七年四月二十八日の当委員会において、三菱の燃費データ不正事件を受けて改定された道路運送車両法の審議で、二〇一七年度のリコールの発生原因を見ると実に六一%が設計にかかわるものであったということを指摘し、型式指定の審査を厳格に行うべきだというふうに求めさせていただきました。
 当時の藤井直樹自動車局長は、リコール件数の六一%が設計に起因するふぐあいであるということを認めました。また、そのうち設計自体の評価基準の甘さを理由とするものが五三%あるというふうにもお答えになられました。具体的には、車の設計時に評価した部品の性能や使用方法が車の使用環境に対して十分でなかったために、いわゆる想定外であったためにふぐあいが発生した、こういう場合が該当するというふうに答弁されたんですね。
 しかし、一方で、型式指定の審査で生じるさまざまなふぐあいを事前に全部チェックするのは困難だというふうにも答弁されているわけです。その上で、設計段階で使用環境に対する想定が十分でなかったことを原因とするふぐあいが発生した場合は、自動車メーカーはリコールを届け出て自動車の安全確保を担保するというふうに答えられました。
 私はこのときに、リコール発生ありきで自動車ユーザーは購入しなければならないということになりかねはしないかというふうに指摘をさせていただきました。
 今回実用化しようとしている自動運転は、いわゆる天候や気温、それから昼か夜か、道路事情や速度など、まさに走行環境条件というものを自動運行装置ごとに、一台ごとに付すわけですから、この条件というものが、自動運転を継続していいのか、それとも運転者が運転しなければならない環境にあるのかの分かれ目になる、それを決めるということになるわけですから、重要なポイントでふぐあいを起こすということなどがあってはならないと思うんですね。
 各自動車メーカーは、設計自体の評価基準を一層厳しくしていくという責務があるというふうに思いますし、国土交通省としましても、設計段階における使用環境に対する想定が十分でなかった、だからリコールが出たというようなことを今後はやはり許してはならないというふうに思うんですが、その点、どのようにお考えでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、自動運行装置を備えた自動車の安全確保は極めて重要であるというふうに考えております。
 そのため、自動車型式指定の審査におきまして、その保安基準適合性につきましては、シミュレーション、テストコース及び公道での走行試験の適切な組合せにより確認することで的確に審査を行う予定といたしております。
 具体的には、シミュレーション試験につきましては、走行環境条件内で自車及び周辺車両の加速、減速、車線変更といった挙動や分合流などの道路環境、天候といった想定されるさまざまな走行パターンを収集した上で、その全てにおいて安全に問題がないことをシミュレーションで証明いたしますとともに、審査機関にあっては、そのシナリオの一部について実際にサンプリング試験を行い、シミュレーションが適切に動作していることを確認するといったようなことを想定いたしております。
 また、テストコースでの走行試験につきましては、走行環境条件内の代表的な条件で安全に自動運行装置が作動すること、走行環境条件を外れる場合を模擬し、運転者に運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することを確認すること、また、公道での走行試験につきましては、実環境下において自動運行装置が安全に作動することを確認することなどを想定いたしております。
 こうした新たな審査手法につきましては、WP29におきまして国際基準の議論が行われておりまして、国交省といたしましては、この場において積極的に提案を行うことにより、早期の国際基準策定を働きかけているところでございます。
 国交省といたしましては、これらの取組を通じ、国際的な基準調和に留意しながら、自動運行装置を備えた自動車の保安基準適合性について、的確かつ厳正に審査を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 ぜひとも国としても厳格な審査を行うよう強く求めておきたいと思います。
 次に、本法案が成立しても、自動運行装置がいつでもどこでも安全に走行できる技術水準にないことから、いわゆる自動運転の導入初期は、今述べられましたように、例えば、昼間だとか晴れでの高速道路本線上における、あるいは渋滞時等の低速走行などが一例として挙げられているわけです。ですから、導入当初ですから、雨が降っていたらうまくセンサーが機能しないだとか、あるいは暗いところでは人影や対向車をよく認識できないとかいうようなことがあるかもしれないので、走行環境条件というものを最低限のものから進めていくということが想定されているわけですね。
 ただ、自動運行装置の技術が向上した場合、例えば一般道、高速道路ではなくて一般道での自動運行が可能となった場合でも保安基準にかかわる条文の改正は必要ないとされていると思うんですが、それは間違いないでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転につきましては、二〇二〇年度を目途に、高速道路におけるレベル3の自家用車の自動運転、限定地域でのレベル4の無人自動運転移動サービスの実現が期待されているところでございます。
 今回の改正は、これらの実現に向け、特定の条件下において当該装置が全ての運転操作を実施するレベル3及び4を対象とするものでございます。
 このような中、一般道での自動運転は、高速道路等と異なりまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術の向上等が必要となりますため、信号機等の道路上の情報を通信で受信しながら自動運転を行う路車協調型技術の開発が進められているというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術等の向上を踏まえた路車協調型技術開発の進展を踏まえ、道路運送車両法の関係省令であります保安基準を整備していくことによりまして、将来的には都市部の一般道における自動運転走行に対応できる環境が整うことも想定されるというふうに考えております。
○清水委員 今度の改正で、自動運行装置の技術が上がれば、常にシステムが自動で運転するレベル5、それの一歩手前までの自動運転が法改正なしに認められるということになるわけですよね。しかし、国民がそれを受け入れるかどうかという問題があると思うんです。
 例えば、高速道路に限った自動運転であれば、仮に自動運転車の暴走によって事故が起こったとしても、少なくとも歩行者などが巻き込まれる心配はありません。ところが、一般道で、いわゆる歩車混在のところで運行が可能となると、事故によって歩行者などが巻き込まれるかもしれないという不安が国民の中に生まれても不思議ではなくなるわけなんです。
 自動車メーカーが開発する自動運行装置に対して、政府が主体的合理性を持ってその安全性能を評価する責任がやはり生まれてくると思うんですね。つまり、自動車メーカーの技術開発を追認するだけの仕組みになってしまってはいけない。
 自動運転に対する国民の不安を払拭するということのためには、やはり自動運転装置ごとに付与する走行環境条件などについては、それが本当に適合したものなのか、エビデンスが不可欠となってくるというふうに思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転車の普及に伴う社会的受容性といいますか、そういった御指摘だったと思いますけれども、自動運転の安全性を確保するためには、自動運行装置の安全基準の策定に加えまして、自動運転車のユーザー及び周囲の交通参加者がその機能等について正しく理解することが必要となってまいります。
 レベル3及びレベル4の自動運転車につきましては、今般の改正によりまして、自動運転の安全性を担保するため、その性能に応じて自動運行装置が使用可能となる速度、ルート、天候、時間などの走行環境条件を国土交通大臣が付することといたしております。
 加えまして、レベル3の自動運転車につきましては、システムによる運転の継続が困難になった場合には、運転者による運転の引継ぎが必要となってまいります。
 自動運転車が安全に使用されるためには、走行環境条件や運転者による運転の引継ぎについてユーザーが正しく理解することが必要でありまして、これを確保するため、自動車メーカー等に対し、販売店を通じた周知徹底やオーナーズマニュアルへの記載等について働きかけをしておるところでございます。
 また、本年一月に取りまとめられた交通政策審議会小委員会報告書におきまして、周囲の交通参加者の安全、安心を確保するため、自動運転中であることを車外に表示することが必要との提言をいただいております。
 このため、国連における自動運転中の車外表示に関する国際基準について議論をリードするとともに、基準が策定されるまでの間も、国内的には、例えばステッカーの貼付等による表示等について、関係者と検討をしてまいります。
 さらに、国民に対しましても、関係省庁とも連携し、シンポジウムの開催やディーラーの試乗会などを通じまして自動運転車の性能等を丁寧に説明していくことなどの取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいる所存でございます。
○清水委員 自動車メーカーは当然国民への説明を行うということもあるんですが、政府自身の責任においても、十分な情報提供と説明を果たすことが必要であるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、レベル4の問題について質問いたします。
 政府は、二〇二〇年までにレベル4の無人自動運転移動サービスを実現するとの目標を持っています。
 しかし、旅客自動車運送事業者は、走行中の事故により乗客が死亡し、又は負傷したときは、速やかに応急手当てその他必要な措置を講じること等、乗客の安全を確保することが義務づけられております。
 運転者や乗務員なしで旅客の安全は守られるのかとの疑問や不安が、国民あるいはバスやタクシーの運転者らから上がっております。
 国土交通省は、旅客自動車運送事業における運転者、乗務員の果たしている役割について、どのように認識されているでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動車による旅客の運送におきましては、安全、安心の確保は最重要の課題でございまして、その運転者には、運送の直接の担い手として安全を確保することが求められているものと認識をいたしております。
 こうした運転者による安全の確保のため、運送事業者には、安全に関する適切な指導監督を運転者に対して実施するなど、必要な措置をとることを義務づけております。
 また、車掌等の運転者以外の乗務員につきましては、運転者による安全な運行を支援する役割を負っているものと認識いたしております。
 一方、車内に運転者がいないレベル4の旅客運送事業におきましても、運転者が運転を行う場合と同様、運送事業者により十分な安全が確保されることが必要と考えております。
 このため、国交省では、事故等の状況把握や旅客の保護など、輸送の安全の確保のため運送事業者が対応すべき事項につきまして、ガイドラインとして今年度前半に取りまとめることといたしておりまして、これに基づきまして、運送事業者が適切に対応するよう働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 レベル4でいいますと、いわゆる運転者やあるいは乗務員が乗らずに全て自動的に旅客を運ぶというようなイメージだと思うんですが、今、ガイドラインを作成するというふうに言われているんですが、やはり、現行の旅客移動サービスを実現する際に定められている、いわゆる現行と同様の安全性や利便性ということをしっかり確保していただけるということでよろしいんでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、運転手が乗っていないような環境におきましても、運送事業により十分な安全が確保されている現在の状態と同じレベルの安全性が求められているというふうに考えておりますので、その点、ガイドラインをしっかり取りまとめて対応を求めていきたいというふうに思っております。
○清水委員 ありがとうございます。
 やはり、現行と同様の安全性、利便性を同じレベルで確保していくことなしに無人で自動運転移動サービスの実施をしていくということはあり得ないのではないかということについては確認しておきたいと思います。
 次に、町の自動車整備工場に対する政府の取組について伺いたいと思います。
 本改定案では、自動車整備工場が事業として行う分解整備の範囲にカメラ、レーダーなど電子的な検査を加え、特定整備と名称を改めることとしています。
 全国商工新聞の記事によりますと、現在、自動車整備工場は全国に九万二千もの事業者があり、コンビニ店舗数の一・六倍に当たります。約四十万人が整備要員として働いているわけですが、八割が従業員十人以下の中小企業なんですね。そして、平均年齢も高齢化している。
 自動運転実用化の流れが非常に強まっている中で、中小の自動車整備工場が自動運行装置のメンテナンスや修理をどこまで担えるか、不安はあるけれども、その方向についていくしかない、そういう声も伝えているわけです。
 本改定案では点検整備に必要な情報を自動車メーカーが提供することとされているんですが、それらは最低限のことでありまして、その情報を使いこなせるだけの知識や技能を身につけた整備士を育成することが国としても必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案によりまして新たに特定整備の対象となる作業としては、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整作業を想定いたしております。
 整備工場がこれらの先進技術の整備を適切に行うためには、自動車メーカーが作成する整備要領書、電子的な故障の有無の確認等に用いるスキャンツール、スキャンツールを用いて故障箇所を特定し適切な整備を行う知識、技能を有する自動車整備士が必要となってまいります。
 このため、国土交通省では、有識者のほか関係業界団体が参加をいたします自動車整備技術の高度化検討会におきまして、一般の整備工場であっても、一定の費用を支払うことにより、自動車メーカーが作成する整備要領書を自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数の自動車メーカーの車種に対応した汎用スキャンツールの開発と機能拡大の推進、自動車整備士に対するスキャンツール研修制度の整備拡充といった取組を進めているところでございます。
 このうち、自動車整備士に対するスキャンツール研修につきましては、検討会において合意されたプログラムに基づきまして、各都道府県の自動車整備振興会が、未経験者を対象とする基本研修、基本研修修了者を対象とする応用研修、応用研修修了者を対象とするステップアップ研修など、受講生のレベルに応じて多段階の研修を実施し、さらに、これらの研修を受講した整備士が自社において他の整備士に対してその内容を展開することにより、全国の整備士のスキルアップを図っているところでございます。
 加えまして、認証工場において整備の統括管理を行う整備主任者に対し、毎年、法令により、運輸支局長等が行う研修の受講を義務づけておりますが、この研修においても、スキャンツールを用いた点検整備を始めとする新技術の整備手法について、実習も交えて説明を行っているところでございます。
 国交省といたしましては、引き続き、これらの取組を総合的に講ずることにより、整備工場が新技術の点検整備に対応し、特定整備の認証を受けられるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 この間の国交省の調べでも、スキャンツールを保有しない整備事業者が二割以上残されているということがわかっております。
 ただ、このアンケート調査も実はもう四年前のものでして、これを機会に、どれだけの事業者がスキャンツールを今保有しているのか、どのような要求を持っているのかということについても、ぜひ適切な対応を行うことを求めておきたいと思います。
 最後に、いわゆる自動車メーカーの検査不正防止問題について質問をさせていただきます。
 この間、スズキにおいて完成検査に不正があったという報告書が出されております。
 そもそも、完成検査不正というものは、二〇一七年九月二十九日に日産自動車が無資格検査を行っていたということが報告され、大問題となったものです。にもかかわらず、それから二年半もたって再び同様の事案が明らかになったというのは、自動車メーカーの責任は当然ですが、国交省は何をしていたのかという批判は免れないと思います。
 国交省は、日産の不正が明らかになった直後、他の自動車メーカー及び輸入事業者に対して、同様の不適切な取扱いがないか調査して報告するように指示したんですね。これによって、SUBARU自動車が同様の不正があったということを報告してきました。実は、このときスズキにも既に不正があったわけなんですが、なかったという虚偽の報告をしていたわけですね。
 国交省は、スズキに不正があったことをこの時点でどうして見抜けなかったのでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキについてのお尋ねかと思いますが、従来、立入検査につきましては事前通告を前提といたしておりましたけれども、一昨年の九月から無通告を原則とするようにいたしました。
 スズキにつきましては、平成三十年、昨年の五月二十三日に初めて無通告立入検査をいたしましたけれども、その段階では、今先生が御指摘いただきましたような書類の改ざんというのが行われておりまして、私どもとしては、それを発見するに至らなかったということでございます。
○清水委員 最後に質問いたします。
 きょうは資料もお配りさせていただいております。これは外部専門家によるスズキの不正問題の報告書なんですけれども、結局、人員削減が問題だった、検査にかかわる人員をリストラでどんどん減らしていた、ここに問題があるということで再発防止策も提起されているわけですが、これをどう今後スズキだけではなく各メーカーに実行させていくのか、そして、この検査体制の人員不足について国交省はどのように指導していくのか、これが求められていると思うんですが、最後にこの質問をしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキから提出されました四月十二日の報告書では、不適切事案の原因となりました検査員の人員不足を再発させないための業務量の正確な把握及び適正な人員配置等の再発防止策が示されておりますが、国交省といたしましては、同日、スズキに対し、再発防止のための具体的な取組を速やかに実施するよう求めるとともに、四半期ごとに報告するよう指示をいたしました。また、無通告での立入検査等も行い、その進捗状況を継続的に確認していくことといたしております。
 なお、スズキの報告書の提出を受けまして、国交省では、再発防止策の実施状況を含め、報告書の内容が適正かどうか等を確認するため、四月十六日から十九日まで、四工場と本社に対しまして、会長、社長を含む経営陣からの聞き取りを含め、立入検査を実施したところでありまして、その結果は現在精査中でありますが、対応が必要となる場合には厳正に対処してまいります。
 また、検査員の不足につきましては、各社における一連の不適切事案の要因となっているところ、適切な完成検査を確保するためのタスクフォースの中間取りまとめにおきまして、自動車メーカーは完成検査実施者として選任された者を適切に配置しなければならないことを法令で明確化すべきとされたことを踏まえまして、平成三十年十月に省令を改正いたしまして、型式指定の申請の際に完成検査員の配置方針を提出するよう義務づけたところでありまして、その後の各社における運用状況を無通告の立入検査等も通じまして確認をしてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 適切に指導していただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

○谷委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 この大型連休中も、各地で自動車による死傷事故が多発いたしました。けさも、るる言われておりますように、大津市の県道で、保育園児らが歩いている列に軽自動車が突っ込むという大変な事故が起きまして、死傷者が出ております。
 また、高齢者の運転による自動車事故も社会問題となっておりまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族には哀悼の意を表したいと思います。けがをされた方々には、一日も早く回復されますようお見舞いを申し上げたいと思います。
 こうした交通事故の約九割が、人為的なミス、いわゆるヒューマンエラーによるものであるとされております。
 この間、各自動車メーカーで、事故を減らすために、衝突被害軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキですね、AEBと呼ばれているものですが、これら運転支援の装置を搭載した先進安全自動車が開発され、普及し始めております。現在では新車台数の八割にこれらAEBなどの装置が装備されているということです。今後は、運転の主体が運転者、人間ではなくて、初めてシステム、装置が運転の主体になるというレベルの自動運転が実用化されようとしています。
 これら自動運行装置を搭載した自動車の製造から使用までの安全性を一体的に確保するためには制度や規制がなくてはならず、本改定案が、安心して自動車を走らせることのできる最低限の技術基準である保安基準の対象に自動運行装置を追加するとしていることは必要なことだと考えます。
 そこで伺いたいと思います。
 自動運転の実用化をめぐりましては、国民の中に期待の声がある一方で、不安の声も実は少なくありません。民間のシンクタンク、第一生命経済研究所が二〇一八年七月二十四日に公表した意識調査では、自動運転の開発、普及による社会の変化に期待をしているかとの問いに期待ありと答えた方が七四・七%あった一方で、自動運転の開発、普及による社会の変化に不安を感じるかとの設問に対しては、不安ありとする人が四七・三%、約半分ありました。不安の内容は、車が安全に作動するかどうかが七〇%、事故が起きた際の責任問題やトラブル対処、保障問題が四六%となっております。
 大臣は、こうした国民の不安の声をどう受けとめ、そして、この不安を解消するためにはどうした取組が必要だというふうに考えておられるでしょうか。
○石井国務大臣 今委員が御紹介いただいたように、昨年の七月に民間の調査機関が実施をしました自動車・自動運転に関する意識調査の結果については承知をしてございます。
 まず、車両自体の安全性につきましては、今回提案しております道路運送車両法改正案によりまして、自動運転車の設計、製造から使用までの安全性を一体的に確保する制度が整備されることとなります。
 国土交通省といたしましては、改正法に基づきまして、安全基準の策定や検査の実施を行う等、確実に施行することで自動運転車の安全が確保されるよう万全を期してまいります。
 また、自動運転車の性能について不安等を感じている国民の皆様に対しましても、関係省庁とも連携をいたしまして、シンポジウムを開催することやディーラーの試乗会等を通じて自動運転車の性能等を丁寧に説明していくこと等の取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいりたいと考えております。
○清水委員 これからは、レベル3と呼ばれる自動運転について伺いたいと思うんですね。
 このレベル3という段階では、例えば高速道路上においてシステムによる自動運行の継続が難しくなったときに、例えばインターチェンジからおりるというとき、こういうときに、システムが運転者に対して、かわってくださいと運転の引継ぎを要求します。運転者はそれを受けて運転を引き継ぐこととされている、これがいわゆるレベル3における自動運行システムと言われています。このときに、果たしてうまく引継ぎができるのかという疑問や不安の声があるわけですね。
 例えば、スマホの操作に夢中になっているとか、あるいは居眠りをしていたとか、引継ぎに気づかない、できないというようなことがあるかもしれない、こういう不安の声があるわけですが、この点への対応について、自動運転車の安全技術ガイドラインにはどのように対応しようというふうに記載されているでしょうか。お答えください。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、安全な自動運転車の開発、実用化を促進するために、レベル3及びレベル4の自動運転車が満たすべき安全要件を、自動運転車の安全技術ガイドラインとして昨年九月に策定をいたしました。
 御指摘のとおり、レベル3の自動運転車におきましては、走行環境条件から外れる場合等、システムの作動継続が困難な場合には、運転者がシステムから運転を引き継ぐことが必要となってまいります。このため、自動運転車の安全技術ガイドラインにおきましては、運転者がシステムからの運転を引き継ぐことができる状態にあることを監視し、必要に応じて警報を発することができるドライバーモニタリングシステム等の機能を備えることが求められております。
 また、システムから運転者への運転の引継ぎが必要な場合は、運転者に対してその旨警告を行うよう定められております。
 さらに、運転者に運転が引き継がれるまでの間、システムの機能を維持又は制限した状態でシステムの稼働を継続させる、ガイドライン上の用語によれば縮退運転、フォールバックを行うことによりまして、安全に自動運転を継続するよう求めております。
 加えまして、仮に運転者が運転を引き継げない場合の対策といたしまして、車両を自動で安全に停止させるミニマル・リスク・マヌーバー、MRMを設定することを求めることによりまして、自動運転システムの安全性を確保することといたしております。
○清水委員 今局長答えられましたように、引継ぎまでの間、縮退運転、フォールバック、あるいは、運転者が何らかの理由によって運転を引き継げない場合には、自動的に、例えば高速道路上であれば路肩に停止をするというミニマル・リスク・マヌーバー、MRMですね、これらは本当に自動運転を実用化する上で必要な措置だというふうに思うんですね。
 これらの機能は、例えば、レベル3、自動運行装置が実施される段階においては必ず備えるべき機能だというふうに考えるんですが、その点いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 レベル3の自動運行装置は、国土交通大臣が付する走行環境条件内においてのみ運転者の運転操作に係る能力を代替し、その安全性について保安基準に基づき確認されるものでありまして、走行環境条件外では運転者が運転することを前提といたしております。このため、運転者に運転が引き継がれず、走行環境条件外でそのまま自動運行装置が使用されることとなった場合、もはや安全な運行は期待できず、重大な事故につながるおそれもございます。
 このため、運転者に運転が引き継がれないときは、自動運行装置をそのまま作動させるよりも、減速、停止させる方がより安全であるというふうに考えられております。
 この点、国連自動車基準調和世界フォーラム、WP29において国際基準の議論が行われておりまして、この場におきましても、運転者に運転が引き継がれないときは安全に減速、停止する機能が必要であるとの認識のもと、その要件について検討が進められております。
 具体的には、急減速はせず徐々に減速すること、車線を維持し、安全に実施可能であれば車線変更や路肩に寄せること、ハザードランプを点灯させるなどにより周囲に注意喚起を行うことなどの要件が検討されておりまして、今後、WP29での議論を我が国がリードをいたしまして国際基準化を図ってまいるとともに、本基準案が成立、発効した際には、我が国においてもこれを速やかに保安基準に取り入れ、型式指定の際に国がそれへの適合性を確認することといたしております。
○清水委員 レベル3の、今言われました自動運転の段階では、運転者が完全にシステムに運転を委ねるという段階ですから、これはまさしく命を預けると言っても過言ではありません。自動運転の安全を確保して国民の理解を得るという観点からも、こうした装備は標準的に装備するべきだということを述べておきたいと思います。
 次に、自動運行装置の設計が原因で自動運転の自動車にふぐあいが生じるのではないかという不安にどう応えるのか、この点について伺いたいと思います。
 実は私は、二〇一七年四月二十八日の当委員会において、三菱の燃費データ不正事件を受けて改定された道路運送車両法の審議で、二〇一七年度のリコールの発生原因を見ると実に六一%が設計にかかわるものであったということを指摘し、型式指定の審査を厳格に行うべきだというふうに求めさせていただきました。
 当時の藤井直樹自動車局長は、リコール件数の六一%が設計に起因するふぐあいであるということを認めました。また、そのうち設計自体の評価基準の甘さを理由とするものが五三%あるというふうにもお答えになられました。具体的には、車の設計時に評価した部品の性能や使用方法が車の使用環境に対して十分でなかったために、いわゆる想定外であったためにふぐあいが発生した、こういう場合が該当するというふうに答弁されたんですね。
 しかし、一方で、型式指定の審査で生じるさまざまなふぐあいを事前に全部チェックするのは困難だというふうにも答弁されているわけです。その上で、設計段階で使用環境に対する想定が十分でなかったことを原因とするふぐあいが発生した場合は、自動車メーカーはリコールを届け出て自動車の安全確保を担保するというふうに答えられました。
 私はこのときに、リコール発生ありきで自動車ユーザーは購入しなければならないということになりかねはしないかというふうに指摘をさせていただきました。
 今回実用化しようとしている自動運転は、いわゆる天候や気温、それから昼か夜か、道路事情や速度など、まさに走行環境条件というものを自動運行装置ごとに、一台ごとに付すわけですから、この条件というものが、自動運転を継続していいのか、それとも運転者が運転しなければならない環境にあるのかの分かれ目になる、それを決めるということになるわけですから、重要なポイントでふぐあいを起こすということなどがあってはならないと思うんですね。
 各自動車メーカーは、設計自体の評価基準を一層厳しくしていくという責務があるというふうに思いますし、国土交通省としましても、設計段階における使用環境に対する想定が十分でなかった、だからリコールが出たというようなことを今後はやはり許してはならないというふうに思うんですが、その点、どのようにお考えでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、自動運行装置を備えた自動車の安全確保は極めて重要であるというふうに考えております。
 そのため、自動車型式指定の審査におきまして、その保安基準適合性につきましては、シミュレーション、テストコース及び公道での走行試験の適切な組合せにより確認することで的確に審査を行う予定といたしております。
 具体的には、シミュレーション試験につきましては、走行環境条件内で自車及び周辺車両の加速、減速、車線変更といった挙動や分合流などの道路環境、天候といった想定されるさまざまな走行パターンを収集した上で、その全てにおいて安全に問題がないことをシミュレーションで証明いたしますとともに、審査機関にあっては、そのシナリオの一部について実際にサンプリング試験を行い、シミュレーションが適切に動作していることを確認するといったようなことを想定いたしております。
 また、テストコースでの走行試験につきましては、走行環境条件内の代表的な条件で安全に自動運行装置が作動すること、走行環境条件を外れる場合を模擬し、運転者に運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することを確認すること、また、公道での走行試験につきましては、実環境下において自動運行装置が安全に作動することを確認することなどを想定いたしております。
 こうした新たな審査手法につきましては、WP29におきまして国際基準の議論が行われておりまして、国交省といたしましては、この場において積極的に提案を行うことにより、早期の国際基準策定を働きかけているところでございます。
 国交省といたしましては、これらの取組を通じ、国際的な基準調和に留意しながら、自動運行装置を備えた自動車の保安基準適合性について、的確かつ厳正に審査を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 ぜひとも国としても厳格な審査を行うよう強く求めておきたいと思います。
 次に、本法案が成立しても、自動運行装置がいつでもどこでも安全に走行できる技術水準にないことから、いわゆる自動運転の導入初期は、今述べられましたように、例えば、昼間だとか晴れでの高速道路本線上における、あるいは渋滞時等の低速走行などが一例として挙げられているわけです。ですから、導入当初ですから、雨が降っていたらうまくセンサーが機能しないだとか、あるいは暗いところでは人影や対向車をよく認識できないとかいうようなことがあるかもしれないので、走行環境条件というものを最低限のものから進めていくということが想定されているわけですね。
 ただ、自動運行装置の技術が向上した場合、例えば一般道、高速道路ではなくて一般道での自動運行が可能となった場合でも保安基準にかかわる条文の改正は必要ないとされていると思うんですが、それは間違いないでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転につきましては、二〇二〇年度を目途に、高速道路におけるレベル3の自家用車の自動運転、限定地域でのレベル4の無人自動運転移動サービスの実現が期待されているところでございます。
 今回の改正は、これらの実現に向け、特定の条件下において当該装置が全ての運転操作を実施するレベル3及び4を対象とするものでございます。
 このような中、一般道での自動運転は、高速道路等と異なりまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術の向上等が必要となりますため、信号機等の道路上の情報を通信で受信しながら自動運転を行う路車協調型技術の開発が進められているというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術等の向上を踏まえた路車協調型技術開発の進展を踏まえ、道路運送車両法の関係省令であります保安基準を整備していくことによりまして、将来的には都市部の一般道における自動運転走行に対応できる環境が整うことも想定されるというふうに考えております。
○清水委員 今度の改正で、自動運行装置の技術が上がれば、常にシステムが自動で運転するレベル5、それの一歩手前までの自動運転が法改正なしに認められるということになるわけですよね。しかし、国民がそれを受け入れるかどうかという問題があると思うんです。
 例えば、高速道路に限った自動運転であれば、仮に自動運転車の暴走によって事故が起こったとしても、少なくとも歩行者などが巻き込まれる心配はありません。ところが、一般道で、いわゆる歩車混在のところで運行が可能となると、事故によって歩行者などが巻き込まれるかもしれないという不安が国民の中に生まれても不思議ではなくなるわけなんです。
 自動車メーカーが開発する自動運行装置に対して、政府が主体的合理性を持ってその安全性能を評価する責任がやはり生まれてくると思うんですね。つまり、自動車メーカーの技術開発を追認するだけの仕組みになってしまってはいけない。
 自動運転に対する国民の不安を払拭するということのためには、やはり自動運転装置ごとに付与する走行環境条件などについては、それが本当に適合したものなのか、エビデンスが不可欠となってくるというふうに思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転車の普及に伴う社会的受容性といいますか、そういった御指摘だったと思いますけれども、自動運転の安全性を確保するためには、自動運行装置の安全基準の策定に加えまして、自動運転車のユーザー及び周囲の交通参加者がその機能等について正しく理解することが必要となってまいります。
 レベル3及びレベル4の自動運転車につきましては、今般の改正によりまして、自動運転の安全性を担保するため、その性能に応じて自動運行装置が使用可能となる速度、ルート、天候、時間などの走行環境条件を国土交通大臣が付することといたしております。
 加えまして、レベル3の自動運転車につきましては、システムによる運転の継続が困難になった場合には、運転者による運転の引継ぎが必要となってまいります。
 自動運転車が安全に使用されるためには、走行環境条件や運転者による運転の引継ぎについてユーザーが正しく理解することが必要でありまして、これを確保するため、自動車メーカー等に対し、販売店を通じた周知徹底やオーナーズマニュアルへの記載等について働きかけをしておるところでございます。
 また、本年一月に取りまとめられた交通政策審議会小委員会報告書におきまして、周囲の交通参加者の安全、安心を確保するため、自動運転中であることを車外に表示することが必要との提言をいただいております。
 このため、国連における自動運転中の車外表示に関する国際基準について議論をリードするとともに、基準が策定されるまでの間も、国内的には、例えばステッカーの貼付等による表示等について、関係者と検討をしてまいります。
 さらに、国民に対しましても、関係省庁とも連携し、シンポジウムの開催やディーラーの試乗会などを通じまして自動運転車の性能等を丁寧に説明していくことなどの取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいる所存でございます。
○清水委員 自動車メーカーは当然国民への説明を行うということもあるんですが、政府自身の責任においても、十分な情報提供と説明を果たすことが必要であるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、レベル4の問題について質問いたします。
 政府は、二〇二〇年までにレベル4の無人自動運転移動サービスを実現するとの目標を持っています。
 しかし、旅客自動車運送事業者は、走行中の事故により乗客が死亡し、又は負傷したときは、速やかに応急手当てその他必要な措置を講じること等、乗客の安全を確保することが義務づけられております。
 運転者や乗務員なしで旅客の安全は守られるのかとの疑問や不安が、国民あるいはバスやタクシーの運転者らから上がっております。
 国土交通省は、旅客自動車運送事業における運転者、乗務員の果たしている役割について、どのように認識されているでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動車による旅客の運送におきましては、安全、安心の確保は最重要の課題でございまして、その運転者には、運送の直接の担い手として安全を確保することが求められているものと認識をいたしております。
 こうした運転者による安全の確保のため、運送事業者には、安全に関する適切な指導監督を運転者に対して実施するなど、必要な措置をとることを義務づけております。
 また、車掌等の運転者以外の乗務員につきましては、運転者による安全な運行を支援する役割を負っているものと認識いたしております。
 一方、車内に運転者がいないレベル4の旅客運送事業におきましても、運転者が運転を行う場合と同様、運送事業者により十分な安全が確保されることが必要と考えております。
 このため、国交省では、事故等の状況把握や旅客の保護など、輸送の安全の確保のため運送事業者が対応すべき事項につきまして、ガイドラインとして今年度前半に取りまとめることといたしておりまして、これに基づきまして、運送事業者が適切に対応するよう働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 レベル4でいいますと、いわゆる運転者やあるいは乗務員が乗らずに全て自動的に旅客を運ぶというようなイメージだと思うんですが、今、ガイドラインを作成するというふうに言われているんですが、やはり、現行の旅客移動サービスを実現する際に定められている、いわゆる現行と同様の安全性や利便性ということをしっかり確保していただけるということでよろしいんでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、運転手が乗っていないような環境におきましても、運送事業により十分な安全が確保されている現在の状態と同じレベルの安全性が求められているというふうに考えておりますので、その点、ガイドラインをしっかり取りまとめて対応を求めていきたいというふうに思っております。
○清水委員 ありがとうございます。
 やはり、現行と同様の安全性、利便性を同じレベルで確保していくことなしに無人で自動運転移動サービスの実施をしていくということはあり得ないのではないかということについては確認しておきたいと思います。
 次に、町の自動車整備工場に対する政府の取組について伺いたいと思います。
 本改定案では、自動車整備工場が事業として行う分解整備の範囲にカメラ、レーダーなど電子的な検査を加え、特定整備と名称を改めることとしています。
 全国商工新聞の記事によりますと、現在、自動車整備工場は全国に九万二千もの事業者があり、コンビニ店舗数の一・六倍に当たります。約四十万人が整備要員として働いているわけですが、八割が従業員十人以下の中小企業なんですね。そして、平均年齢も高齢化している。
 自動運転実用化の流れが非常に強まっている中で、中小の自動車整備工場が自動運行装置のメンテナンスや修理をどこまで担えるか、不安はあるけれども、その方向についていくしかない、そういう声も伝えているわけです。
 本改定案では点検整備に必要な情報を自動車メーカーが提供することとされているんですが、それらは最低限のことでありまして、その情報を使いこなせるだけの知識や技能を身につけた整備士を育成することが国としても必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案によりまして新たに特定整備の対象となる作業としては、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整作業を想定いたしております。
 整備工場がこれらの先進技術の整備を適切に行うためには、自動車メーカーが作成する整備要領書、電子的な故障の有無の確認等に用いるスキャンツール、スキャンツールを用いて故障箇所を特定し適切な整備を行う知識、技能を有する自動車整備士が必要となってまいります。
 このため、国土交通省では、有識者のほか関係業界団体が参加をいたします自動車整備技術の高度化検討会におきまして、一般の整備工場であっても、一定の費用を支払うことにより、自動車メーカーが作成する整備要領書を自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数の自動車メーカーの車種に対応した汎用スキャンツールの開発と機能拡大の推進、自動車整備士に対するスキャンツール研修制度の整備拡充といった取組を進めているところでございます。
 このうち、自動車整備士に対するスキャンツール研修につきましては、検討会において合意されたプログラムに基づきまして、各都道府県の自動車整備振興会が、未経験者を対象とする基本研修、基本研修修了者を対象とする応用研修、応用研修修了者を対象とするステップアップ研修など、受講生のレベルに応じて多段階の研修を実施し、さらに、これらの研修を受講した整備士が自社において他の整備士に対してその内容を展開することにより、全国の整備士のスキルアップを図っているところでございます。
 加えまして、認証工場において整備の統括管理を行う整備主任者に対し、毎年、法令により、運輸支局長等が行う研修の受講を義務づけておりますが、この研修においても、スキャンツールを用いた点検整備を始めとする新技術の整備手法について、実習も交えて説明を行っているところでございます。
 国交省といたしましては、引き続き、これらの取組を総合的に講ずることにより、整備工場が新技術の点検整備に対応し、特定整備の認証を受けられるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 この間の国交省の調べでも、スキャンツールを保有しない整備事業者が二割以上残されているということがわかっております。
 ただ、このアンケート調査も実はもう四年前のものでして、これを機会に、どれだけの事業者がスキャンツールを今保有しているのか、どのような要求を持っているのかということについても、ぜひ適切な対応を行うことを求めておきたいと思います。
 最後に、いわゆる自動車メーカーの検査不正防止問題について質問をさせていただきます。
 この間、スズキにおいて完成検査に不正があったという報告書が出されております。
 そもそも、完成検査不正というものは、二〇一七年九月二十九日に日産自動車が無資格検査を行っていたということが報告され、大問題となったものです。にもかかわらず、それから二年半もたって再び同様の事案が明らかになったというのは、自動車メーカーの責任は当然ですが、国交省は何をしていたのかという批判は免れないと思います。
 国交省は、日産の不正が明らかになった直後、他の自動車メーカー及び輸入事業者に対して、同様の不適切な取扱いがないか調査して報告するように指示したんですね。これによって、SUBARU自動車が同様の不正があったということを報告してきました。実は、このときスズキにも既に不正があったわけなんですが、なかったという虚偽の報告をしていたわけですね。
 国交省は、スズキに不正があったことをこの時点でどうして見抜けなかったのでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキについてのお尋ねかと思いますが、従来、立入検査につきましては事前通告を前提といたしておりましたけれども、一昨年の九月から無通告を原則とするようにいたしました。
 スズキにつきましては、平成三十年、昨年の五月二十三日に初めて無通告立入検査をいたしましたけれども、その段階では、今先生が御指摘いただきましたような書類の改ざんというのが行われておりまして、私どもとしては、それを発見するに至らなかったということでございます。
○清水委員 最後に質問いたします。
 きょうは資料もお配りさせていただいております。これは外部専門家によるスズキの不正問題の報告書なんですけれども、結局、人員削減が問題だった、検査にかかわる人員をリストラでどんどん減らしていた、ここに問題があるということで再発防止策も提起されているわけですが、これをどう今後スズキだけではなく各メーカーに実行させていくのか、そして、この検査体制の人員不足について国交省はどのように指導していくのか、これが求められていると思うんですが、最後にこの質問をしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキから提出されました四月十二日の報告書では、不適切事案の原因となりました検査員の人員不足を再発させないための業務量の正確な把握及び適正な人員配置等の再発防止策が示されておりますが、国交省といたしましては、同日、スズキに対し、再発防止のための具体的な取組を速やかに実施するよう求めるとともに、四半期ごとに報告するよう指示をいたしました。また、無通告での立入検査等も行い、その進捗状況を継続的に確認していくことといたしております。
 なお、スズキの報告書の提出を受けまして、国交省では、再発防止策の実施状況を含め、報告書の内容が適正かどうか等を確認するため、四月十六日から十九日まで、四工場と本社に対しまして、会長、社長を含む経営陣からの聞き取りを含め、立入検査を実施したところでありまして、その結果は現在精査中でありますが、対応が必要となる場合には厳正に対処してまいります。
 また、検査員の不足につきましては、各社における一連の不適切事案の要因となっているところ、適切な完成検査を確保するためのタスクフォースの中間取りまとめにおきまして、自動車メーカーは完成検査実施者として選任された者を適切に配置しなければならないことを法令で明確化すべきとされたことを踏まえまして、平成三十年十月に省令を改正いたしまして、型式指定の申請の際に完成検査員の配置方針を提出するよう義務づけたところでありまして、その後の各社における運用状況を無通告の立入検査等も通じまして確認をしてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 適切に指導していただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

 

○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 この大型連休中も、各地で自動車による死傷事故が多発いたしました。けさも、るる言われておりますように、大津市の県道で、保育園児らが歩いている列に軽自動車が突っ込むという大変な事故が起きまして、死傷者が出ております。
 また、高齢者の運転による自動車事故も社会問題となっておりまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族には哀悼の意を表したいと思います。けがをされた方々には、一日も早く回復されますようお見舞いを申し上げたいと思います。
 こうした交通事故の約九割が、人為的なミス、いわゆるヒューマンエラーによるものであるとされております。
 この間、各自動車メーカーで、事故を減らすために、衝突被害軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキですね、AEBと呼ばれているものですが、これら運転支援の装置を搭載した先進安全自動車が開発され、普及し始めております。現在では新車台数の八割にこれらAEBなどの装置が装備されているということです。今後は、運転の主体が運転者、人間ではなくて、初めてシステム、装置が運転の主体になるというレベルの自動運転が実用化されようとしています。
 これら自動運行装置を搭載した自動車の製造から使用までの安全性を一体的に確保するためには制度や規制がなくてはならず、本改定案が、安心して自動車を走らせることのできる最低限の技術基準である保安基準の対象に自動運行装置を追加するとしていることは必要なことだと考えます。
 そこで伺いたいと思います。
 自動運転の実用化をめぐりましては、国民の中に期待の声がある一方で、不安の声も実は少なくありません。民間のシンクタンク、第一生命経済研究所が二〇一八年七月二十四日に公表した意識調査では、自動運転の開発、普及による社会の変化に期待をしているかとの問いに期待ありと答えた方が七四・七%あった一方で、自動運転の開発、普及による社会の変化に不安を感じるかとの設問に対しては、不安ありとする人が四七・三%、約半分ありました。不安の内容は、車が安全に作動するかどうかが七〇%、事故が起きた際の責任問題やトラブル対処、保障問題が四六%となっております。
 大臣は、こうした国民の不安の声をどう受けとめ、そして、この不安を解消するためにはどうした取組が必要だというふうに考えておられるでしょうか。
○石井国務大臣 今委員が御紹介いただいたように、昨年の七月に民間の調査機関が実施をしました自動車・自動運転に関する意識調査の結果については承知をしてございます。
 まず、車両自体の安全性につきましては、今回提案しております道路運送車両法改正案によりまして、自動運転車の設計、製造から使用までの安全性を一体的に確保する制度が整備されることとなります。
 国土交通省といたしましては、改正法に基づきまして、安全基準の策定や検査の実施を行う等、確実に施行することで自動運転車の安全が確保されるよう万全を期してまいります。
 また、自動運転車の性能について不安等を感じている国民の皆様に対しましても、関係省庁とも連携をいたしまして、シンポジウムを開催することやディーラーの試乗会等を通じて自動運転車の性能等を丁寧に説明していくこと等の取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいりたいと考えております。
○清水委員 これからは、レベル3と呼ばれる自動運転について伺いたいと思うんですね。
 このレベル3という段階では、例えば高速道路上においてシステムによる自動運行の継続が難しくなったときに、例えばインターチェンジからおりるというとき、こういうときに、システムが運転者に対して、かわってくださいと運転の引継ぎを要求します。運転者はそれを受けて運転を引き継ぐこととされている、これがいわゆるレベル3における自動運行システムと言われています。このときに、果たしてうまく引継ぎができるのかという疑問や不安の声があるわけですね。
 例えば、スマホの操作に夢中になっているとか、あるいは居眠りをしていたとか、引継ぎに気づかない、できないというようなことがあるかもしれない、こういう不安の声があるわけですが、この点への対応について、自動運転車の安全技術ガイドラインにはどのように対応しようというふうに記載されているでしょうか。お答えください。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、安全な自動運転車の開発、実用化を促進するために、レベル3及びレベル4の自動運転車が満たすべき安全要件を、自動運転車の安全技術ガイドラインとして昨年九月に策定をいたしました。
 御指摘のとおり、レベル3の自動運転車におきましては、走行環境条件から外れる場合等、システムの作動継続が困難な場合には、運転者がシステムから運転を引き継ぐことが必要となってまいります。このため、自動運転車の安全技術ガイドラインにおきましては、運転者がシステムからの運転を引き継ぐことができる状態にあることを監視し、必要に応じて警報を発することができるドライバーモニタリングシステム等の機能を備えることが求められております。
 また、システムから運転者への運転の引継ぎが必要な場合は、運転者に対してその旨警告を行うよう定められております。
 さらに、運転者に運転が引き継がれるまでの間、システムの機能を維持又は制限した状態でシステムの稼働を継続させる、ガイドライン上の用語によれば縮退運転、フォールバックを行うことによりまして、安全に自動運転を継続するよう求めております。
 加えまして、仮に運転者が運転を引き継げない場合の対策といたしまして、車両を自動で安全に停止させるミニマル・リスク・マヌーバー、MRMを設定することを求めることによりまして、自動運転システムの安全性を確保することといたしております。
○清水委員 今局長答えられましたように、引継ぎまでの間、縮退運転、フォールバック、あるいは、運転者が何らかの理由によって運転を引き継げない場合には、自動的に、例えば高速道路上であれば路肩に停止をするというミニマル・リスク・マヌーバー、MRMですね、これらは本当に自動運転を実用化する上で必要な措置だというふうに思うんですね。
 これらの機能は、例えば、レベル3、自動運行装置が実施される段階においては必ず備えるべき機能だというふうに考えるんですが、その点いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 レベル3の自動運行装置は、国土交通大臣が付する走行環境条件内においてのみ運転者の運転操作に係る能力を代替し、その安全性について保安基準に基づき確認されるものでありまして、走行環境条件外では運転者が運転することを前提といたしております。このため、運転者に運転が引き継がれず、走行環境条件外でそのまま自動運行装置が使用されることとなった場合、もはや安全な運行は期待できず、重大な事故につながるおそれもございます。
 このため、運転者に運転が引き継がれないときは、自動運行装置をそのまま作動させるよりも、減速、停止させる方がより安全であるというふうに考えられております。
 この点、国連自動車基準調和世界フォーラム、WP29において国際基準の議論が行われておりまして、この場におきましても、運転者に運転が引き継がれないときは安全に減速、停止する機能が必要であるとの認識のもと、その要件について検討が進められております。
 具体的には、急減速はせず徐々に減速すること、車線を維持し、安全に実施可能であれば車線変更や路肩に寄せること、ハザードランプを点灯させるなどにより周囲に注意喚起を行うことなどの要件が検討されておりまして、今後、WP29での議論を我が国がリードをいたしまして国際基準化を図ってまいるとともに、本基準案が成立、発効した際には、我が国においてもこれを速やかに保安基準に取り入れ、型式指定の際に国がそれへの適合性を確認することといたしております。
○清水委員 レベル3の、今言われました自動運転の段階では、運転者が完全にシステムに運転を委ねるという段階ですから、これはまさしく命を預けると言っても過言ではありません。自動運転の安全を確保して国民の理解を得るという観点からも、こうした装備は標準的に装備するべきだということを述べておきたいと思います。
 次に、自動運行装置の設計が原因で自動運転の自動車にふぐあいが生じるのではないかという不安にどう応えるのか、この点について伺いたいと思います。
 実は私は、二〇一七年四月二十八日の当委員会において、三菱の燃費データ不正事件を受けて改定された道路運送車両法の審議で、二〇一七年度のリコールの発生原因を見ると実に六一%が設計にかかわるものであったということを指摘し、型式指定の審査を厳格に行うべきだというふうに求めさせていただきました。
 当時の藤井直樹自動車局長は、リコール件数の六一%が設計に起因するふぐあいであるということを認めました。また、そのうち設計自体の評価基準の甘さを理由とするものが五三%あるというふうにもお答えになられました。具体的には、車の設計時に評価した部品の性能や使用方法が車の使用環境に対して十分でなかったために、いわゆる想定外であったためにふぐあいが発生した、こういう場合が該当するというふうに答弁されたんですね。
 しかし、一方で、型式指定の審査で生じるさまざまなふぐあいを事前に全部チェックするのは困難だというふうにも答弁されているわけです。その上で、設計段階で使用環境に対する想定が十分でなかったことを原因とするふぐあいが発生した場合は、自動車メーカーはリコールを届け出て自動車の安全確保を担保するというふうに答えられました。
 私はこのときに、リコール発生ありきで自動車ユーザーは購入しなければならないということになりかねはしないかというふうに指摘をさせていただきました。
 今回実用化しようとしている自動運転は、いわゆる天候や気温、それから昼か夜か、道路事情や速度など、まさに走行環境条件というものを自動運行装置ごとに、一台ごとに付すわけですから、この条件というものが、自動運転を継続していいのか、それとも運転者が運転しなければならない環境にあるのかの分かれ目になる、それを決めるということになるわけですから、重要なポイントでふぐあいを起こすということなどがあってはならないと思うんですね。
 各自動車メーカーは、設計自体の評価基準を一層厳しくしていくという責務があるというふうに思いますし、国土交通省としましても、設計段階における使用環境に対する想定が十分でなかった、だからリコールが出たというようなことを今後はやはり許してはならないというふうに思うんですが、その点、どのようにお考えでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、自動運行装置を備えた自動車の安全確保は極めて重要であるというふうに考えております。
 そのため、自動車型式指定の審査におきまして、その保安基準適合性につきましては、シミュレーション、テストコース及び公道での走行試験の適切な組合せにより確認することで的確に審査を行う予定といたしております。
 具体的には、シミュレーション試験につきましては、走行環境条件内で自車及び周辺車両の加速、減速、車線変更といった挙動や分合流などの道路環境、天候といった想定されるさまざまな走行パターンを収集した上で、その全てにおいて安全に問題がないことをシミュレーションで証明いたしますとともに、審査機関にあっては、そのシナリオの一部について実際にサンプリング試験を行い、シミュレーションが適切に動作していることを確認するといったようなことを想定いたしております。
 また、テストコースでの走行試験につきましては、走行環境条件内の代表的な条件で安全に自動運行装置が作動すること、走行環境条件を外れる場合を模擬し、運転者に運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することを確認すること、また、公道での走行試験につきましては、実環境下において自動運行装置が安全に作動することを確認することなどを想定いたしております。
 こうした新たな審査手法につきましては、WP29におきまして国際基準の議論が行われておりまして、国交省といたしましては、この場において積極的に提案を行うことにより、早期の国際基準策定を働きかけているところでございます。
 国交省といたしましては、これらの取組を通じ、国際的な基準調和に留意しながら、自動運行装置を備えた自動車の保安基準適合性について、的確かつ厳正に審査を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 ぜひとも国としても厳格な審査を行うよう強く求めておきたいと思います。
 次に、本法案が成立しても、自動運行装置がいつでもどこでも安全に走行できる技術水準にないことから、いわゆる自動運転の導入初期は、今述べられましたように、例えば、昼間だとか晴れでの高速道路本線上における、あるいは渋滞時等の低速走行などが一例として挙げられているわけです。ですから、導入当初ですから、雨が降っていたらうまくセンサーが機能しないだとか、あるいは暗いところでは人影や対向車をよく認識できないとかいうようなことがあるかもしれないので、走行環境条件というものを最低限のものから進めていくということが想定されているわけですね。
 ただ、自動運行装置の技術が向上した場合、例えば一般道、高速道路ではなくて一般道での自動運行が可能となった場合でも保安基準にかかわる条文の改正は必要ないとされていると思うんですが、それは間違いないでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転につきましては、二〇二〇年度を目途に、高速道路におけるレベル3の自家用車の自動運転、限定地域でのレベル4の無人自動運転移動サービスの実現が期待されているところでございます。
 今回の改正は、これらの実現に向け、特定の条件下において当該装置が全ての運転操作を実施するレベル3及び4を対象とするものでございます。
 このような中、一般道での自動運転は、高速道路等と異なりまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術の向上等が必要となりますため、信号機等の道路上の情報を通信で受信しながら自動運転を行う路車協調型技術の開発が進められているというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、信号認識技術でありますとか歩行者等の検知技術等の向上を踏まえた路車協調型技術開発の進展を踏まえ、道路運送車両法の関係省令であります保安基準を整備していくことによりまして、将来的には都市部の一般道における自動運転走行に対応できる環境が整うことも想定されるというふうに考えております。
○清水委員 今度の改正で、自動運行装置の技術が上がれば、常にシステムが自動で運転するレベル5、それの一歩手前までの自動運転が法改正なしに認められるということになるわけですよね。しかし、国民がそれを受け入れるかどうかという問題があると思うんです。
 例えば、高速道路に限った自動運転であれば、仮に自動運転車の暴走によって事故が起こったとしても、少なくとも歩行者などが巻き込まれる心配はありません。ところが、一般道で、いわゆる歩車混在のところで運行が可能となると、事故によって歩行者などが巻き込まれるかもしれないという不安が国民の中に生まれても不思議ではなくなるわけなんです。
 自動車メーカーが開発する自動運行装置に対して、政府が主体的合理性を持ってその安全性能を評価する責任がやはり生まれてくると思うんですね。つまり、自動車メーカーの技術開発を追認するだけの仕組みになってしまってはいけない。
 自動運転に対する国民の不安を払拭するということのためには、やはり自動運転装置ごとに付与する走行環境条件などについては、それが本当に適合したものなのか、エビデンスが不可欠となってくるというふうに思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動運転車の普及に伴う社会的受容性といいますか、そういった御指摘だったと思いますけれども、自動運転の安全性を確保するためには、自動運行装置の安全基準の策定に加えまして、自動運転車のユーザー及び周囲の交通参加者がその機能等について正しく理解することが必要となってまいります。
 レベル3及びレベル4の自動運転車につきましては、今般の改正によりまして、自動運転の安全性を担保するため、その性能に応じて自動運行装置が使用可能となる速度、ルート、天候、時間などの走行環境条件を国土交通大臣が付することといたしております。
 加えまして、レベル3の自動運転車につきましては、システムによる運転の継続が困難になった場合には、運転者による運転の引継ぎが必要となってまいります。
 自動運転車が安全に使用されるためには、走行環境条件や運転者による運転の引継ぎについてユーザーが正しく理解することが必要でありまして、これを確保するため、自動車メーカー等に対し、販売店を通じた周知徹底やオーナーズマニュアルへの記載等について働きかけをしておるところでございます。
 また、本年一月に取りまとめられた交通政策審議会小委員会報告書におきまして、周囲の交通参加者の安全、安心を確保するため、自動運転中であることを車外に表示することが必要との提言をいただいております。
 このため、国連における自動運転中の車外表示に関する国際基準について議論をリードするとともに、基準が策定されるまでの間も、国内的には、例えばステッカーの貼付等による表示等について、関係者と検討をしてまいります。
 さらに、国民に対しましても、関係省庁とも連携し、シンポジウムの開催やディーラーの試乗会などを通じまして自動運転車の性能等を丁寧に説明していくことなどの取組を進めることで、社会受容性の向上に努めてまいる所存でございます。
○清水委員 自動車メーカーは当然国民への説明を行うということもあるんですが、政府自身の責任においても、十分な情報提供と説明を果たすことが必要であるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、レベル4の問題について質問いたします。
 政府は、二〇二〇年までにレベル4の無人自動運転移動サービスを実現するとの目標を持っています。
 しかし、旅客自動車運送事業者は、走行中の事故により乗客が死亡し、又は負傷したときは、速やかに応急手当てその他必要な措置を講じること等、乗客の安全を確保することが義務づけられております。
 運転者や乗務員なしで旅客の安全は守られるのかとの疑問や不安が、国民あるいはバスやタクシーの運転者らから上がっております。
 国土交通省は、旅客自動車運送事業における運転者、乗務員の果たしている役割について、どのように認識されているでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 自動車による旅客の運送におきましては、安全、安心の確保は最重要の課題でございまして、その運転者には、運送の直接の担い手として安全を確保することが求められているものと認識をいたしております。
 こうした運転者による安全の確保のため、運送事業者には、安全に関する適切な指導監督を運転者に対して実施するなど、必要な措置をとることを義務づけております。
 また、車掌等の運転者以外の乗務員につきましては、運転者による安全な運行を支援する役割を負っているものと認識いたしております。
 一方、車内に運転者がいないレベル4の旅客運送事業におきましても、運転者が運転を行う場合と同様、運送事業者により十分な安全が確保されることが必要と考えております。
 このため、国交省では、事故等の状況把握や旅客の保護など、輸送の安全の確保のため運送事業者が対応すべき事項につきまして、ガイドラインとして今年度前半に取りまとめることといたしておりまして、これに基づきまして、運送事業者が適切に対応するよう働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 レベル4でいいますと、いわゆる運転者やあるいは乗務員が乗らずに全て自動的に旅客を運ぶというようなイメージだと思うんですが、今、ガイドラインを作成するというふうに言われているんですが、やはり、現行の旅客移動サービスを実現する際に定められている、いわゆる現行と同様の安全性や利便性ということをしっかり確保していただけるということでよろしいんでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、運転手が乗っていないような環境におきましても、運送事業により十分な安全が確保されている現在の状態と同じレベルの安全性が求められているというふうに考えておりますので、その点、ガイドラインをしっかり取りまとめて対応を求めていきたいというふうに思っております。
○清水委員 ありがとうございます。
 やはり、現行と同様の安全性、利便性を同じレベルで確保していくことなしに無人で自動運転移動サービスの実施をしていくということはあり得ないのではないかということについては確認しておきたいと思います。
 次に、町の自動車整備工場に対する政府の取組について伺いたいと思います。
 本改定案では、自動車整備工場が事業として行う分解整備の範囲にカメラ、レーダーなど電子的な検査を加え、特定整備と名称を改めることとしています。
 全国商工新聞の記事によりますと、現在、自動車整備工場は全国に九万二千もの事業者があり、コンビニ店舗数の一・六倍に当たります。約四十万人が整備要員として働いているわけですが、八割が従業員十人以下の中小企業なんですね。そして、平均年齢も高齢化している。
 自動運転実用化の流れが非常に強まっている中で、中小の自動車整備工場が自動運行装置のメンテナンスや修理をどこまで担えるか、不安はあるけれども、その方向についていくしかない、そういう声も伝えているわけです。
 本改定案では点検整備に必要な情報を自動車メーカーが提供することとされているんですが、それらは最低限のことでありまして、その情報を使いこなせるだけの知識や技能を身につけた整備士を育成することが国としても必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案によりまして新たに特定整備の対象となる作業としては、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整作業を想定いたしております。
 整備工場がこれらの先進技術の整備を適切に行うためには、自動車メーカーが作成する整備要領書、電子的な故障の有無の確認等に用いるスキャンツール、スキャンツールを用いて故障箇所を特定し適切な整備を行う知識、技能を有する自動車整備士が必要となってまいります。
 このため、国土交通省では、有識者のほか関係業界団体が参加をいたします自動車整備技術の高度化検討会におきまして、一般の整備工場であっても、一定の費用を支払うことにより、自動車メーカーが作成する整備要領書を自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数の自動車メーカーの車種に対応した汎用スキャンツールの開発と機能拡大の推進、自動車整備士に対するスキャンツール研修制度の整備拡充といった取組を進めているところでございます。
 このうち、自動車整備士に対するスキャンツール研修につきましては、検討会において合意されたプログラムに基づきまして、各都道府県の自動車整備振興会が、未経験者を対象とする基本研修、基本研修修了者を対象とする応用研修、応用研修修了者を対象とするステップアップ研修など、受講生のレベルに応じて多段階の研修を実施し、さらに、これらの研修を受講した整備士が自社において他の整備士に対してその内容を展開することにより、全国の整備士のスキルアップを図っているところでございます。
 加えまして、認証工場において整備の統括管理を行う整備主任者に対し、毎年、法令により、運輸支局長等が行う研修の受講を義務づけておりますが、この研修においても、スキャンツールを用いた点検整備を始めとする新技術の整備手法について、実習も交えて説明を行っているところでございます。
 国交省といたしましては、引き続き、これらの取組を総合的に講ずることにより、整備工場が新技術の点検整備に対応し、特定整備の認証を受けられるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 この間の国交省の調べでも、スキャンツールを保有しない整備事業者が二割以上残されているということがわかっております。
 ただ、このアンケート調査も実はもう四年前のものでして、これを機会に、どれだけの事業者がスキャンツールを今保有しているのか、どのような要求を持っているのかということについても、ぜひ適切な対応を行うことを求めておきたいと思います。
 最後に、いわゆる自動車メーカーの検査不正防止問題について質問をさせていただきます。
 この間、スズキにおいて完成検査に不正があったという報告書が出されております。
 そもそも、完成検査不正というものは、二〇一七年九月二十九日に日産自動車が無資格検査を行っていたということが報告され、大問題となったものです。にもかかわらず、それから二年半もたって再び同様の事案が明らかになったというのは、自動車メーカーの責任は当然ですが、国交省は何をしていたのかという批判は免れないと思います。
 国交省は、日産の不正が明らかになった直後、他の自動車メーカー及び輸入事業者に対して、同様の不適切な取扱いがないか調査して報告するように指示したんですね。これによって、SUBARU自動車が同様の不正があったということを報告してきました。実は、このときスズキにも既に不正があったわけなんですが、なかったという虚偽の報告をしていたわけですね。
 国交省は、スズキに不正があったことをこの時点でどうして見抜けなかったのでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキについてのお尋ねかと思いますが、従来、立入検査につきましては事前通告を前提といたしておりましたけれども、一昨年の九月から無通告を原則とするようにいたしました。
 スズキにつきましては、平成三十年、昨年の五月二十三日に初めて無通告立入検査をいたしましたけれども、その段階では、今先生が御指摘いただきましたような書類の改ざんというのが行われておりまして、私どもとしては、それを発見するに至らなかったということでございます。
○清水委員 最後に質問いたします。
 きょうは資料もお配りさせていただいております。これは外部専門家によるスズキの不正問題の報告書なんですけれども、結局、人員削減が問題だった、検査にかかわる人員をリストラでどんどん減らしていた、ここに問題があるということで再発防止策も提起されているわけですが、これをどう今後スズキだけではなく各メーカーに実行させていくのか、そして、この検査体制の人員不足について国交省はどのように指導していくのか、これが求められていると思うんですが、最後にこの質問をしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 スズキから提出されました四月十二日の報告書では、不適切事案の原因となりました検査員の人員不足を再発させないための業務量の正確な把握及び適正な人員配置等の再発防止策が示されておりますが、国交省といたしましては、同日、スズキに対し、再発防止のための具体的な取組を速やかに実施するよう求めるとともに、四半期ごとに報告するよう指示をいたしました。また、無通告での立入検査等も行い、その進捗状況を継続的に確認していくことといたしております。
 なお、スズキの報告書の提出を受けまして、国交省では、再発防止策の実施状況を含め、報告書の内容が適正かどうか等を確認するため、四月十六日から十九日まで、四工場と本社に対しまして、会長、社長を含む経営陣からの聞き取りを含め、立入検査を実施したところでありまして、その結果は現在精査中でありますが、対応が必要となる場合には厳正に対処してまいります。
 また、検査員の不足につきましては、各社における一連の不適切事案の要因となっているところ、適切な完成検査を確保するためのタスクフォースの中間取りまとめにおきまして、自動車メーカーは完成検査実施者として選任された者を適切に配置しなければならないことを法令で明確化すべきとされたことを踏まえまして、平成三十年十月に省令を改正いたしまして、型式指定の申請の際に完成検査員の配置方針を提出するよう義務づけたところでありまして、その後の各社における運用状況を無通告の立入検査等も通じまして確認をしてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 適切に指導していただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

198-衆-地方創生に関する特別委員会(2019/4/25)

[国会質問データ]2019/05/29 更新

地方分権一括法案を可決 衆院委

清水議員が反対討論

写真

(写真)討論に立つ清水忠史議員=25日、衆院地方創生特別委

 地方自治体への「権限移譲」などによる規制緩和を図る政府の第9次地方分権一括法案が25日、衆院地方創生特別委員会で自民、公明両党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は立憲民主党と国民民主党が提出した修正案に賛成し、政府原案に反対しました。

 共産党の清水忠史議員は採決に先立つ討論で、放課後児童クラブの支援員配置基準(現行=原則2人以上)を「参酌(さんしゃく)する基準」への緩和は、子どもの安全に対する国の責任を放棄するものだと厳しく批判。現行基準は学童保育発展の全国的運動を受けて初めて設けられた基準であり、基準を参酌化する法案は「断じて認められない」と表明しました。

 また、公民館などの教育委員会所管の公立社会教育施設に関する事務を地方自治体の首長部局に移管することを可能とすることで、社会教育行政の政治的中立性が崩され、首長の意向で施設の設置、廃止が左右されるなど社会教育行政がゆがめられかねないと訴えました。

 清水氏は、本来は個別法案として所管委員会で審議すべき多岐にわたる内容を一括法案として提出する手法自体に反対しました。(赤旗2019/4/26)

議事録

○清水委員 私は、日本共産党を代表して、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案に反対の討論を行います。
 第一は、放課後児童健全育成事業における放課後児童支援員の配置基準の条例化に当たって、従うべきとしていた基準を参酌する基準に緩和することです。
 放課後児童支援員を原則二名以上配置することは、子供の命を守り、安全、安心できる生活の場を全国的に一定水準の質で確保するために必要不可欠なものであり、よりよい学童保育を発展させようと、全国の運動もあって、二〇一五年四月に初めて設けられたものです。
 放課後児童支援員は、社会福祉施設等の配置基準で最後に残された従うべき基準であり、子供の安全に対する国の責任を放棄する本法案は、断じて認められません。
 第二に、教育委員会所管の公立社会教育施設に関する事務を地方自治体首長部局に移管させることを可能にすることは、社会教育行政の政治的中立性が崩されかねず、地域住民の自主性、自発性が阻害されかねません。
 社会教育施設は、行政による教育内容への不当な介入や首長への権限集中を防止し、教育の自主性と地域住民に対する直接的責任、中立的、専門的な行政運営を担保するため、一般行政から独立した行政委員会である教育委員会が所管することとされています。首長部局が社会教育施設を所管できるようになれば、その時々の首長の意向で社会教育施設の設置、廃止が左右されかねません。社会教育行政がゆがめられかねず、認めることはできません。
 第三に、実包の管理状況の実態について検証できないままに、指定管理鳥獣捕獲等事業の従事者が一定数量の火薬類を公安委員会の許可なく譲り受けることを可能にすることは、国民の平穏な生活や安全を脅かしかねないことです。
 無許可譲受け量上限は内閣府令で定められることになっていますが、実態が検証不能なまま規制緩和を政府に白紙委任することはできません。
 最後に、今回も多岐にわたる法案を一括法案として提出されていますが、これでは十分な審議は行えません。個々の法案は所管の委員会で審議すべきであり、一括法案というやり方は改めるべきであるということを申し上げ、反対討論を終わります。