国会質問データ

198-衆-国土交通委員会(2019/5/10)

[国会質問データ]2019/05/29 更新

レオパレス違法建築

住み替え未定9000人超

清水氏追及に国交相が答弁

衆院国交委

写真

(写真)質問する清水忠史議員=10日、衆院国交委

 不良施工の発覚が相次ぐ賃貸アパート大手・レオパレス21の違法建築問題で10日、9000人を超える違法物件入居者の住み替えが4月末で未定だと判明しました。衆院国土交通委員会で、日本共産党の清水忠史議員の質問に石井啓一国土交通相が答えました。

 石井国交相は2月8日時点の違法建築物件1324棟の入居者1万4355人のうち、4月末で退去は4623人、住み替え予定は715人だとし、住み替え未定が9016人に上ると述べました。

 清水氏はレオパレス21に加え大和ハウス工業の違法建築の発覚を挙げ、事態の収束とともに、所有・居住者の安心・安全の早急な確保を むき出しだと報じた4月17日付本紙記事や、欠陥住宅被害関東連絡協議会が行った同社物件の所有者向け電話相談に「調査で異常なしとされた界壁で隙間や割れが見受けられた」など41件の相談が寄せられたことなどを紹介し、「新たな違法建築の疑いが生じている」と指摘。国交省の石田優住宅局長の「可及的速やかに対応したい」との答弁を受け、「国交省自身が特定行政庁と連携をとって積極的に問題解決にあたるべきだ」と強調しました。

 清水氏は再発防止に向け、建築確認検査制度の抜本的見直しを提言し、原因究明のための集中審議と、レオパレス21と大和ハウスに対する参考人質疑の実施を求めました。(赤旗2019/5/12)

20190510資料

議事録

○清水委員 日本共産党の清水忠史です。
 本日の一般質疑では、賃貸共同住宅における違法建築問題について質問したいと思います。
 サブリース大手、レオパレス21の違法建築の問題につきましては、本年二月二十一日の衆議院予算委員会におきまして、当時の我が党宮本岳志衆議院議員も質問をしております。
 現在、国土交通省が特定行政庁を通じまして把握しているレオパレスの違法建築物件の棟数及び関係する特定行政庁の数について、最新のデータを教えていただけるでしょうか。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 レオパレス21が施工いたしました共同住宅のうち、本年三月末時点で、特定行政庁から建築基準法違反が認定されたものは二千九百四十九棟、関係いたします特定行政庁の数は二百六となっております。
○清水委員 本年一月末時点で、違法建築が千八百九十五棟、特定行政庁は百七十三でしたから、今お答えいただいたんですが、この二カ月の間にもレオパレスの違法建築が拡大している、重大だと思うんです。本日あたりはいわゆる社長の退任報道もなされておりますが、社長がかわって済む問題ではないというふうに思うんですね。
 さて、資料一をごらんいただきたいと思います。これは、国土交通省が作成し、第一回共同住宅の建設時の品質管理のあり方に関する外部有識者委員会に提出した、レオパレス事案への対応と題された資料であります。ここには、賃貸共同住宅の入居者、所有者の安全、安心の確保と記されているわけです。
 レオパレスのオーナーは、巨額の資金を借りて共同住宅を建設したものの、サブリース契約をめぐるトラブルなどに見舞われただけではなく、相次ぐ施工不良や違法建築が発覚する中で大変御苦労されておりますし、また、入居者の方々も、転居を余儀なくされるなど、大変御苦労されているわけです。
 レオパレス物件における所有者、居住者に対しては、国土交通省としてもやはり丁寧な対応が求められているわけで、この違法建築による混乱を収束させるために責任が問われていると思うんですが、これは石井大臣にお伺いしたいと思います。
○石井国務大臣 レオパレス21の事案に関しまして、昨年四月及び五月に公表された小屋裏等の界壁の不備に加えまして、本年二月の七日に新たな界壁、外壁及び天井の不備が明らかになりまして、さらに、小屋裏等界壁に関し、既に多数の違反建築物が認定されていることにつきましては、まことに遺憾であります。
 国土交通省といたしましては、まずは、賃貸共同住宅入居者等の安全、安心の確保を図り、その上で、徹底した原因究明をもとに、適切な再発防止策を講じていくことが重要と認識をしております。
 このうち、入居者等への対応につきましては、本年二月に公表された事案に係ります千三百二十四棟に二月八日時点で入居されていた一万四千三百五十四人のうち、四月末時点で四千六百二十三人が退去をし、七百十五人に関し、住みかえ予定日が決定している一方で、九千十六人の方は予定日が未定であるとの報告をレオパレスから受けております。
 安全性を確保するための補修工事は迅速に進めていく必要がある中で、補修工事が必要な住戸の入居者の六割強の方について住みかえの予定が立っていないことは遺憾でありまして、レオパレス21に対し、丁寧かつ迅速に対応するよう、引き続き指導をしてまいります。
 国土交通省といたしましては、特定行政庁と連携いたしまして、早期に不備の解消を図ることにより入居者等の安全、安心の確保を図っていくとともに、国に設置をいたしました外部有識者会議の意見を踏まえつつ、徹底した原因究明のもとに適切な再発防止策を講じてまいりたいと考えております。
○清水委員 所有者、居住者の安全対策は当然なんですが、今大臣も答えられましたように、まだ転居が調整中であるという方が九千人以上ですか、これはかなりの数だというふうに言わなければなりません。
 資料の二をごらんいただきたいと思うんです。
 この資料の二は、昨日、レオパレス21が発表いたしました天井部施工不備物件、いわゆる屋根の界壁などが不足しているそういう物件だと思うんですが、これの住みかえ状況についての最新の資料なんです。
 管理戸数七千三戸のうち、二月八日時点で入居していた四千五百十八戸があったわけですが、そのうち、四月末時点で住みかえが完了したのが三千三百七十五戸、また、住みかえ予定日が決定しているのが四百九戸となっているわけですね。しかし、四月末時点で住みかえの日程が調整中とされている戸数が七百三十四戸も残っているわけです。
 やはり、入居者の方々の安全、安心のために力を尽くすというふうに言われるんだったら、先ほど九千人という数字もありましたが、このいわゆる天井部施工不備物件に限っても七百三十四戸残っているわけで、なぜ調整中になっているのか、その中身について把握されているでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほど先生の方から御指摘がありました資料にありましたとおり、四月末時点で、既に住みかえが完了した戸数と住みかえの予定日が決定した戸数を除きました七百三十四戸で、今、日程を調整中となっております。
 この七百三十四戸につきましては、住みかえの案内を行っているけれども具体的な住みかえ先や日程がまだ決まっていないというのが七百十二戸、残っているうちの中のほとんどでございます。あと、入居者と予定が合わずに具体的な説明がまだできていないというのが二十二戸、〇・三%ですが、これがまだ残っているというふうにレオパレスから聞いております。
 レオパレスに対しまして、丁寧かつ迅速に対応するよう、引き続き指導していきたいと思っております。
○清水委員 日程が合わないということもあるんでしょうが、いまだに、施工不良物件に現在もお住まいということですから、火災などの災害が起こった場合に命にかかわる問題だと思いますので、迅速な対応をお願いしたいというふうに思います。
 入居者にはとにかく全く落ち度がないわけですよね。まさか、みずからが入居するそういう賃貸物件が施工不良であるというふうには夢にも思っていなかったわけで、まさしく驚天動地だと思います。
 先ほど、検討会に提出されている国土交通省の資料、一ページ目、1なんですけれども、既にレオパレス物件で不備が判明しているシリーズ、これはネイルシリーズとかあるいは六シリーズと呼ばれているものだと思うんですが、それへの対応についてこう書いているんですね。早期の全棟調査完了、そして、夏前の全棟改修完了を指示した、こう書かれているわけであります。
 そこでお伺いしたいというふうに思うんですが、その進捗状況について教えていただけるでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 この指示をしました段階で既に不備が判明しておりましたシリーズの棟数が一万五千二百八十三棟ございますが、このうち、三月末時点で、一万二千七百三十棟、約八三%において調査済みとなっております。また、このうち、四月二日の時点で、六百七十三棟、全体の約四%において改修済みとなっているという報告を受けております。
 レオパレス21に対しまして、早期に全棟の調査を完了して、この夏前に全棟の改修完了を行うよう、引き続き指導していきたいと考えております。
○清水委員 今、完了物件が四%というふうにおっしゃられたと思うんですが、夏前というのはいつのことを言うんでしょうね。私、今のことじゃないかと思うんですが。
 この時点で四%の改修完了ということで、本当にこれは間に合うのでしょうか。
○石田政府参考人 改修の、今の数字は四月頭の時点の数字でございます。夏前というのは、我々の感覚でいうと夏を迎えるころという意識でございます。
 当然ながら、改修工事をするに当たりましては、入居者の方、所有者の方と調整がありますので、レオパレス自体の判断だけで勝手にできるものではございませんので、いろいろ調整等が必要になっているのは我々も理解しておりますが、早急に、なるべくそこを解消して工事に移れるよう、引き続き指導していきたいと考えております。
○清水委員 では、この資料にあります(1)の2ですね。今局長に答えていただきましたネイルシリーズや六シリーズ以外、その他のシリーズへの対応について伺いたいんです。
 ここでは、不備が判明したシリーズは、夏前に調査を完了し、十月までに全棟改修完了ということで、明確に期限を切って指示をされたということなんですが、この進捗状況についても教えてください。
○石田政府参考人 ここで言っておりますその他のシリーズが四十二ございます。それは合計が二万三千八百二棟ございますが、このうち、三月末の時点で七千五百五十五棟、約三分の一において調査済みとなっており、その結果として、大半のシリーズでやはり不備が見つかったという報告を受けております。
 このため、レオパレス21に対しまして、この夏前までに全棟調査を完了するように引き続き指導しております。
 また、これらのシリーズのうち、これは調査に入ったのがまだ最近でございますので、改修済みに至っているものはまだ報告として受けておりません。本年十月までに全棟の改修を完了するように、引き続き指導していきたいと考えております。
○清水委員 指導していただくのは当然なんですけれども、今の現状でいいましたら、指示した期日までの達成はほぼ絶望的だと言わざるを得ません。
 今、私もレオパレスの資料を見たんですけれども、恐らく同じ資料を見ていると思うんですが、レオパレス21社自身が、三月末時点で二万二百八十五棟を調査して、一万四千五百九十九棟もの不備があったということを認めているんですね。自社で設計、施工した物件の七割以上に不備がある。これは、ほんま、ほかに過去に例がなかったような事態ではないかというふうに思います。
 国土交通省は、指示を出すだけではなくて、期日までに調査を実行させ、不備を確実に解消させる。やはり、状況もつぶさに把握して、今四%ということもありましたから、これを促進させていくために、厳しい指導を責任を持って行っていただきたいと思います。
 次に、資料三を見ていただけるでしょうか。この資料三は、ことし四月十七日のしんぶん赤旗の記事であります。
 「レオパレス物件 配線むき出し」という見出しがつけられているんですが、これは、札幌市内に建てられたレオパレスのアパートについて、オーナーが一級建築士に調査をしてもらった結果、一階と二階の間に通っている配線がむき出しになっていたということを報道したものであります。
 記事では、赤線を引いておりますように、「建築基準法施行令では電気や電話線などの配線ケーブルは、上下や隣部屋の貫通部を含め、耐火性の被膜で覆ったり、鉄管や硬質塩化ビニールパイプに通したりするなど国が認める材料を使用しなければいけません。それらを天井下、床上、壁から一メートルまで施工する必要があります。」こう書かれているわけなんですが、いわゆる違法の疑いがあったということを指摘しているわけです。まさしく火災時に延焼の危険性が生まれるという事態になっていると思うんですね。
 これまで明らかになったレオパレスの違法事例だけではなく、新たな建築基準法違反などの施工不良が生まれているというふうに思います。国土交通省は、物件のオーナーが抱えるこうした悩みや不安、怒りにどのように対応していただけるんでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 レオパレス21に対しましては、同社がこれまでに公表しております不適合以外の法定仕様への不適合がないかにつきましても、徹底した調査を行うように既に指示をしているところでございます。また、引き続き、基準法違反の疑いのケースが見つかった場合には、特定行政庁にその旨を報告することとあわせまして、所有者などと調整の上で、可及的速やかに改修等の対応を行うよう求めていきたいと考えております。
○清水委員 その可及的速やかというのはすごく大事なんですよ。
 といいますのは、この間、欠陥住宅被害関東連絡協議会の皆さんが、レオパレスのオーナー向けの電話相談を行ったんです。一一〇番をやりました。そうすると、一日で四十一件もの相談が寄せられたということなんですね。
 その相談内容も切実で、出されたものを読み上げますと、レオパレスの物件を中古で購入したが、今回の問題発覚後、レオパレスからの連絡は全くない。それから、レオパレス物件について不動産会社が紹介を停止している、入居のあっせんですね。家賃保証がない一般管理や個人管理の場合は死活問題となる。あるいは、調査により界壁は異常なしと判断されたが、自分で確認したところ、すき間や割れ目が見受けられたということもありますし、また、レオパレスの調査により問題なしと判断されたが信用できない、第三者の建築士に依頼して調査を行いたいなどのさまざまな悩みが寄せられているんです。特定行政庁もなかなか動いてくれない、あるいはレオパレスに連絡をしても返事が来ない、こうしたことが実際起こっているわけなんですね。
 ですから、今局長が言われましたように可及的速やかにというのであれば、特定行政庁と連携をとって、そうした不安を解消していくために責任を持って取り組んでいただきたい、このことも強く求めておきたいと思います。
 さて、国土交通省作成の資料一、最初にまた戻っていただきたいんですが、レオパレスを含む大手事業者に係る物件についても今後調査をする、このように国土交通省が方針を出されているわけです。ほかの大手事業者が同様の違法建築物件を販売していないか、品質などを調査して公表するということは、これは重要なことです。
 ところで伺うんですが、大和ハウス工業が二〇一六年十月に、共同住宅における違法建築問題、このことを明らかにしているんですが、これはどのような事案だったか、説明していただけるでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 大和ハウス工業が平成二十八年、二〇一六年十月に公表いたしました事案につきましては、同社が施工した百六十棟の賃貸住宅などの小屋裏の界壁を構成します石こうボードの材質や下地材の形状が大臣認定仕様と異なっていたという内容でございます。
○清水委員 まさに、レオパレス21の物件と共通するような問題なんですよね。界壁パネルの材質が適合していなかったとか、こういう問題だというふうに思います。
 このときに、国土交通省は大和ハウス工業に対して、早急な是正措置、原因究明及び再発防止策の提出とともに、ほかに建築基準法違反がないのか徹底した調査を指示していたと思うんですが、これは間違いありませんね、イエスかノーかで。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました平成二十八年十月にこの事案が明らかになった際の対応といたしまして、国土交通省から大和ハウス工業に対し、原因究明及び再発防止策の提出に加えまして、ほかに大臣認定仕様の不適合などの建築基準法違反がないか徹底した調査をするよう指示をしていたところでございます。
○清水委員 その調査を指示したときに、ほかに違反があったという報告はありましたか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほどの指示を踏まえました大和ハウスからの報告が、翌平成二十九年四月にございました。そのときに、ほかの違反事案があるという御報告は受けておりません。
○清水委員 いや、それは大和ハウスから報告があったんじゃなくて、内部通報によって明らかになった事例のことをおっしゃっておられるんじゃないんですか。ことし四月になって、大和ハウス工業で、耐火性の柱の仕様が不適合であるという新たな違法建築が発覚したんですね。
 これは、さまざまな報道によりますと、二〇一六年、いわゆる平成二十八年十月以降ですよ、に社員から内部通報があったにもかかわらず、本格調査に着手するまで一年半以上かかっているということなんです。ですから、その時点で国土交通省に報告がなかったということなんですね。
 レオパレス問題の違法建築問題では、外部専門家らの検討会を立ち上げて、再発防止策の提言を受けるということをおっしゃっておられるんですが、この大和ハウス工業の例を見ましても、国土交通省自身が主体的に調査に乗り出さないと、隠蔽されてしまうというようなことになりかねないんじゃないかなというふうに思うんです。
 こうした過去の反省を踏まえて、どのようにこの大和ハウスの問題、再発防止、原因究明に取り組んでいかれるか、お答えいただけるでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほど私が申し上げましたのは、二十八年の案件に対しての大和ハウスからの答えの中に、当時我々に対してそういうことがなかったということでございまして、今回新たに判明した際に、その二十八年の年末に内部通報がどうもあったということで、新たに事実が判明してきている状況でございます。
 その上ででございますが、今回の対応に関しましては、二十八年十月の事案に続きまして新たな不適合の事案が明らかになったことについては、まことに遺憾であると考えております。
 今回の事案を踏まえまして、国土交通省におきましては、大和ハウス工業に対して、改修などの迅速な実施に加えて、第三者性を持った形での徹底した原因究明を行うように求めております。前回のときは第三者性は求めておりませんでした。
 さらに、今回は、レオパレス21の問題を踏まえて設置した国の外部有識者委員会において、その大和ハウスが行います原因究明の結果などについても検証していただくということにしております。その上で、同社の案件を含めまして、再発防止策を検討していただくことにしており、国土交通省としては、委員会よりいただいた提言を踏まえて、必要な対策を講じていきたいと考えているところでございます。
○清水委員 ぜひ行っていただきたいと思うんですね。
 今の質疑のやりとりの中で、平成二十八年に、ほかに建築基準法違反がないのかという、大和ハウス工業に対して指示をしたところ、なかったということが明らかになったわけで、やはりその時点では隠蔽していた、こう言わざるを得ないということは確認できたというふうに思うんですね。
 資料の四をごらんいただきたいと思うんです。
 これは、レオパレスが設置した外部調査委員会の中間報告を国土交通省がまとめたものです。ここでは、不備の原因分析として、小屋裏等界壁問題の不正、さらには界壁発泡ウレタン問題、外壁仕様問題、天井部問題など、数々の不正が報告されているわけですね。
 これは明らかに建築基準法に違反するものだと私は思いますし、どのような罰則があるのか調べますと、例えば、防火壁の構造に係る規定違反については、最も重い三年以下の懲役、三百万円以下の罰金というふうになっているんです。
 これだけ社会を騒がせて、所有者、入居者に重大な影響を与えた事案ですから、こうした建築基準法第九十八条に基づいて処分をされた事業者があるのかないのか調べました。
 すると、二〇〇五年の構造計算書偽装事件以外には把握していないという、国土交通省からお答えをいただいたんですね。いわゆる姉歯事件ですよ、世間を騒がした。いわゆる耐震基準を満たさないマンションが大量に発覚して、大問題となった事件です。それほどの事件を起こさない限り、罰則が適用されないということなんですよね。
 ですから、軽微な違反だとか、あるいは一度違反が見つかって指摘されようが、すぐに罰則は適用されない、こういうことがいわゆるこうした違法の抑止になっていないんじゃないかということはやはり言わざるを得ないというふうに思っています。
 この間のやりとり、宮本議員との予算委員会等のやりとりでもおっしゃっておられましたけれども、国土交通省は、この姉歯事件以降、全国一律に中間検査制度を義務づけたというふうにおっしゃっておられましたが、これとて今回のレオパレスの事案を見抜くということはできないわけですよ。下地材だとか、あるいは建材の中身まで、非破壊検査ですから、追及することはできないわけで、やはりこの建築確認検査制度そのものを抜本的に見直すということも含めて、もちろん検討会の提言を受けるということは、それはそれでやっていただきたいんですが、本省としても、どうすればこの建築確認検査制度、あるいはその検査機関のあり方も含めて、機能していくのかということを検討するべき時期に来ていると思うんですが、そこはいかがでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
 建築確認制度のあり方を含みます再発防止策を検討するに当たりましては、まずは今回の事案についての徹底した原因究明が前提として必要であるというふうに考えております。
 このため、国に設置いたしました外部有識者委員会の委員の意見も踏まえまして調査事項をレオパレス21に提示をしたり、また、先日、三月十八日に同社の弁護士から成る外部調査委員会の調査状況の中間報告を受けましたけれども、これについて検証いただいて、追加の指示を行うなどの今対応をしているところでございます。
 最終的に、五月下旬をめどに最終報告をレオパレス側から行う予定と今聞いております。その点を含めまして、徹底した原因究明をまず進めることが、今現在、同社に対して求めているところでございます。
 国の外部有識者委員会において、今後、レオパレス21などによる原因究明結果の検証、また、中間、完了検査などのあり方を含みます再発防止策の検討を進めまして、夏前をめどに提言の取りまとめをいただけるよう今お願いしているところでございまして、国交省としては、いただく予定の提言も踏まえまして、必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。
○清水委員 最後に、委員長にお諮りいただきたいんですけれども、やはり、検討会任せにするのではなくて、国会の場で、どうしてこのようなレオパレス問題が放置されてきたのかということを明らかにしていく必要があるというふうに思うんです。
 その上では、集中審議も必要だと考えますし、レオパレスや大和ハウスの関係者を参考人として招致して、この問題を究明していくということをお諮りいただきたいと思います。
○谷委員長 ただいまの件につきましては、後日、理事会で協議をいたします。
○清水委員 質問を終わります。

 

配布資料 2019051001 2019051002 2019051003 201905104

動画 https://youtu.be/smxkgGWPqy0