


清水 お忙しいところありがとうございます!
村田 どうも。先日、初めて清水さんの生の話を聞かせていただきましたが非常に面白かった。まじめなところは押さえつつ(笑い)、軽妙な語り口で非常にいいなあと。弁護士は難しい話はよくしますが、優しく聞いてもらえるようにするのは難しい。僕らも勉強せんとあかんなあと。
清水 ありがとうございます!
NHKの『プロフェッショナル』、私も拝見し、感動しました。特に、厳しい訴訟や事件を扱っておられる村田弁護士の信念、真実と、正義を貫く姿に共感をおぼえました。
弁護士になられた背景に、町工場を経営されていたお父さんの存在があると紹介されていました。もともと私の両親も商売をしていて、一生懸命頑張って働く両親の姿を見ながら過ごしました。だけどいくら働いても豊かにならない。そんな矛盾を子ども心に感じながら育ったことも思い出しながら、いまの貧困社会とも照らし合わせる中で、その大本をどうとらまえて、変えていくために働き掛けていくかという点でも、とても考えさせられました。
村田 私の父は11歳の時に亡くなり、跡を継いだ兄が、旅館や地下街などの特注品の照明器具を作る工場を経営していました。中学生ぐらいで、納期の迫った徹夜の仕事を手伝ったこともありました。
弁護士になったのには確かにそういう親の影響もありましたが、大学時代に、芝信用金庫男女差別是正裁判や、企業ぐるみ選挙に反対して労組を除名された組合員7人が、会社に解雇された日産厚木事件など、労働争議でたたかっている人の話を聞いたのが大きかった。その中で、弁護士が原告の人たちに寄り添っている姿がとても印象的だったんです。
そして司法修習生のときに、「カローシ(過労死)」を世界語にした椿本精工の平岡さんの過労死事件の電話相談や聞き取りを一緒にして、90年に弁護士登録してからも過労死問題に取り組みながら、派遣問題にもかかわるようになりました。
ただ、非正規労働者の問題は、まずは仕事と住居がほしいし、生活に余裕がない。そんな中で裁判まで決意する人は少ないのが現状です。だけどそこでの支援だけでは、全体的な改善にはならない。働く人がしんどいと思ったときに、いまの環境を変えよう、会社にも交渉しよう、国にも政策を実現させようという主体的な立場に立ってもらえることが大事なんですね。
清水 「解決と同時に切れる携帯電話」という川柳もありますね。
私も生活相談に取り組んできましたが、国保料が払えない、病院代が出せない、住居がない、多重債務、労働問題など相談内容は多岐にわたります。その場、その場で解決することはできても、第2、第3の被害者が出て、相談に来る人が後を絶ちません。そんな中で、相談に来られた方が悩みから抜け出して、今度は相談を受ける側になって活動されることもあります。自分のたたかいを通じて成長していかれるんですね。
村田 労働事件の喜びもそういう部分にあります。
最初は来て泣いてばかりいた人が、私が変わらなければといって裁判に立ち上がる姿、非正規で会社を辞めさせられた人たちが、それまでは自分が悪いように言われたけれども、弁護士から「あなたのほうが正しいよ」と言われたり勉強する中で、声を上げていったり。
清水 そうやって変わっていった人のエネルギーが、今度は社会全体を大きく変えていくことにもつながるんですね。
だけど私も市会議員をしていて感じるのは、国の制度や条例が大きな壁になり、法律という大本を変えない限り、なかなか突破できないジレンマにぶち当たることも少なくありません。
村田 法律自体が悪いですからね。特に日本の派遣労働者法は本当に悪い。ヨーロッパは同一労働同一賃金が確立しています。大企業であっても中小企業であっても、同じ仕事をしていたら同じ給料なので、仮に安い賃金の派遣労働者を雇うとなると、賃金を上乗せしないといけないので、派遣労働そのものが広がらない土壌があるんですね。
清水 なるほど。この間、日本では偽装請負の問題もありましたし、3年を超えて派遣先で働いている場合は正社員にならないかという申し込み義務があるにもかかわらず、ほとんど履行されてきませんでした。
村田 1999年に労働者派遣法が改悪された当時は、派遣労働の実態について議員さんもあまり知らなかった。私たちの研究会も国会質問用に資料を提供しましたが、日本共産党の偉いところは、知らなくても勉強して実態をつかみ、派遣法改悪の際もきちっと反対したところです。新自由主義や構造改革の中で、現実に起きている問題をきちっと見て、全体の政策に反映させるという姿勢があるんですね。
ただ議席が少ない。
清水 本当にそう思います。11月8日、国民大集会と翌日の政府交渉のために上京したときに、共産党の小池晃参院議員の国会質問を生で聞いてきたんですが、後期高齢者医療制度と保育所の認可基準緩和問題で、舌鋒鋭く政府を追及しておられました。自民党席からも、「小池さんの言うとおりだ」と援軍が入り、非常に盛り上がったんですが、ただ質問時間はわずか10分です。しかも40人近くいる委員の中で共産党の委員はただ一人。
総選挙で当選した宮本岳志議員が、石井郁子さんの後を継いで文教科学委員になられましたが、参議院の文教科学委員会には共産党の委員はいないんです。これでは国民の声が国政に届かない。こういう状況を突破していかなければならないと痛感します。 私は2年前の大阪市議会選挙で、定数2の福島区でトップ当選させていただき、16年ぶりに共産党の議席を奪還できたんですが、厚生年金病院廃止問題や競輪場外車券売場の設置問題などで、住民の皆さんとスクラムを組んで大きなうねりをつくりだし、その中で信頼を得た中での勝利でした。やはり住民が主人公。大塩平八郎の精神で、いまこそお上に対して、暮らし守れ、仕事寄こせという声を結集していきたいと思います。
村田 僕は、労働者を、国民を救わない法律にこそ問題があると思います。裁判に負け続けたとしても、それなら悪い法律自体を変えていこうという発想を持ちたい。
国政選挙では、僕の投票は比例代表以外、ずっと死票でした。それでも負け続けてもやるというのが信条ですが(笑い)、今度はぜひ勝ってもらいたいですね。
清水 私も今度こそ、勝利する喜びをみんなで味わうために、何としても頑張ります!
・参院大阪選挙区候補・大阪市議 清水ただしさん
・弁護士 村田浩治さん
むらた・こうじ 1960年、大阪市生まれ。立命館大学卒業。卒論テーマは「団結権と組合民主主義」。90年、弁護士登録。賃金未払いや解雇事件をはじめとする労働問題、過労死、保育所民営化による市立保育所廃止取り消し訴訟など扱う。
<大阪民主新報 2009.11.29(日)記事、写真より>
