比例代表選挙は、得票数に応じて政党の議席が決まるものであり、民意を議員数に正確に反映させる優れた制度です。2009 年 8 月実施の総選挙の得票率をもとに、現行制度の場合と全議席比例配分の場合を比較してみると、下表のような結果になります。

比例定数が削減されれば、多くの国民の声が無視されることになります。
仮に 80 議席が削減された場合、2009 年総選挙結果で試算してみると、公明党・共産党・社民党・ みんなの党・国民新党・新党日本の 6 つの党は比例での得票率はあわせて30.9%ですが、全体での議席占有率ではわずか 8%の議席占有率となってしまいます。一方、民主党は 42.4%の得票率で 68.5%と3分の2を超える議席占有率となります。



「議員定数を削減すれば、ムダの削減になる」と、定数削減を主張する多くの政党・政治家が述べる ところです。しかし、そもそも議員は、多様な国民の声を政治に反映させる重要な役割を担うものであり、その数を減らすことは、多くの民意を抹殺することになるのです。また、議員定数削減によって、1人あたり約 7,000 万円で 80 名削減したとしても約 56 億円です。
他方で、共産党以外が受け取っている、憲法違反の政党助成金は約 320 億円にもなります。また、 在日米軍に対する約 2,000 億円もの「思いやり予算」や米軍移設費用などを見直すことによって、多くの「ムダ」が削減できるはずです。
以下の図のように、国際的に見ても、日本の議員数は決して多いものではありません。

「お手本」のイギリスでも小選挙区制を見直し
歴史的に、小選挙区制のもと長年二大政党制が行われ、民主党も「お手本」とした英国の 2010 年 5 月の総選挙において、二大政党であ る労働党も保守党も十分に民意を反映できず、他方で「少数政党」に過ぎなかった英国・自民党が、多くの得票を得て、戦後初めてという連立内閣が誕生しました。
この英国総選挙においても、得票率では英国・自民党と労働党の差はわずか6%しかないにもかかわらず、小選挙区制のもとで、議席数では、201 議席(当選者数の 32%)もの差が出ました(労働党 258 議席、自民党 57 議席)。
このため、英国民は、英国・自民党が繰り返し求めてきた比例代表制の導入に理解を示し始めています。
国会議員の比例定数削減を新聞社説が批判
小選挙区制や、民主党が参院選後の臨時国会での比例定数削減法案を提出・成立させる構えをみせていることに対して、いくつもの新聞が「社説」で批判や疑問の声をあげています。
朝日新聞
「グローバル化による格差の拡大や価値観の 多様化に伴い、2 大政党制とそれを支えてきた小選挙区制だけ ではもはや民意を吸い上げきれない現実がある。(英国の)自 民党は以前からそうした問題点を指摘して、比例代表制の導入 を求めている」「2 大政党がともに政治不信を招き、有権者の離反を招いている(日本の)構図は英国と重なる」
京都新聞
菅直人首相が「より厳しいことを ( 国民に ) お 願いするときには定数削減をしっかり実現したい」とのべたこ とに対し、「身を削る姿勢を示すことで消費増税への批判をか わす狙いのようだが、それではあまりにも荒っぽい」と批判。「議員数や選挙制度のあり方は議会制民主主義の根幹をなす。 国民の声を幅広く反映する国会をどう実現するか。その視点を 忘れないでもらいたい」とし、「急ぐべきは『1 票の格差』の是正」だと提起しています。
東京新聞
「80 削減しても 60 億円弱程度の予算削減に とどまる」とのべ、「共産党以外の政党が 320 億円を『山分け』 しており、国会議員が身を削るなら、この方がより実質的な意 味がある」と指摘。 さらに、「懸念するのは、民主党が衆院の 定数を比例代表から削減しようとしていることだ」と強調。「比 例定数が減れば、少数政党は議席を得にくくなる」「少数意見の切り捨てにつながるのなら見過ごせない」とのべています。